レーヴァティン
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第七十一話 南の港町その五
「それで後はね」
「男八人で四人ずつか」
「これでいいんじゃない?」
「女の子だけで大丈夫か?」
「大丈夫よ、僕だって格闘戦出来るしそれにね」
「私ですね」
夕子が留奈に応えた。
「モンクなので」
「変な男来ても大丈夫でしょ」
「巨人を素手で倒していますので」
「そりゃその辺りのチンピラなんてね」
それこそとだ、留奈は笑って話した。
「一睨みで殺せるわよ」
「流石にそれは」
「冗談よ、冗談」
今の言葉はとだ、留奈は笑ったままこうも話した。
「流石にそんなことは無理でしょ」
「本当にそんなことが出来るでしょうか」
「殺気を向けたら出来るんじゃない?けれどね」
「今のお言葉は、ですね」
「冗談だから」
あくまでそうだというのだ。
「気にしないでね」
「そうですか」
「そう、それじゃあ後は男の子八人でね」
「ああ、別れてな」
久志が応えた。
「そうしてな」
「情報収集をするってことで」
「それでいくか」
こうしてだった、久志は自分も含めた男八人も二つに別れて情報収集にあたることにした。久志は自分と源三、剛に芳直の四人で一組組順一と正、淳二、進太の四人でもう一組編成した。そうしてだった。
一行は三つに別れてセビーリアでの情報収集にあたることにした、そしてだった。
セビーリアの情報収集をはじめて街の中を回ってだ、久志は一緒にいる源三達に言った。
「この街も賑やかだな」
「活気があるね」
源三も街の中を見回して答えた。
「流石にローマ程じゃないけれど」
「ああ、それでもな」
「中々の活気だね」
「何か街も派手だしな」
「スペインって感じがするね」
剛はついつい自分達の世界の国の名前を出してしまった。
「ここにいたら」
「ああ、そういえばそんな風だよな」
「家とかお店がね」
石造りの街並は日差しのこともありそうした雰囲気だった。
「そうだよね」
「ローマとはまた違ってな」
「うん。これはスペインだよね」
「そんな風だな」
「実際にセビーリアってスペインだからな」
芳直もスペインの名前を出した。
「だからな」
「そうだよね」
「ああ、スペインだな本当に」
「同じ港町でも北とは全然違うね」
「こっちは冬でも湊凍らないだろうな」
「それはないと思うよ」
剛は芳直にすぐに答えた。
「これだけ暖かいとね」
「冬だってな」
「暖かくてね」
「凍らなくてな」
「普通に船が行き来してるよ」
「そうだよな」
「北はね、普段から寒くて」
剛はかつて自分達がいた場所のことを思い出した、あの寒さだけなく雪原もツンドラもそうなった。
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