| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十六話 受験が終わってその九

「それこそ」
「そうですかね」
「そうよ、今年無茶苦茶強かったし」
「だといいですけれどね」
「そこで阪神とは言わないのが気になるけれど」
「阪神も嫌いじゃないですけれどね」
 それでもという返事でした。
「僕基本的にパリーグ派なんで」
「だからなのね」
「はい、ソフトバンクなんです」 
 このチームを応援しているというのです。
「そっちを応援してます」
「そうなの」
「いいですよね、別に」
「いいっていうかどのチームを応援しなさいとか誰も言えないでしょ」
 私は少しどうかというお顔になって阿波野君に言いました。私は一家揃ってそれも代々阪神ファンですが。
「好き嫌いなんだから」
「そうですか」
「それに心は自分のものでしょ」
 阿波野君にこのこともお話しました。
「身体は貸しもので」
「おみちの教えでしたね」
「そう、身体は神様が貸してくれていてね」 
 こう教えられています、子供の頃にお父さんとお母さんによく言われてそうしたものかしらと考えていました。
「心はね」
「自分のものですね」
「だからね」
「好きなチームまではですか」
「どうしろって言えないわ、ただ阿波野君パリーグ派なのね」
「そうなんですよ、これが」
 私に少し真顔で答えてきました。
「野球部の今の監督さんもパリーグでしたよね」
「ええ、近鉄におられたのよ」
 近鉄パファローズです、このチームの記憶は殆どないです。
「あの人は」
「パリーグも六球団ありますしね」
 セリーグと同じだけというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧