夢幻水滸伝
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第六十五話 人間の姿でなくともその六
「太平洋を統一してもや」
「同じやね」
「太平洋を統一しても戦は続く」
あちらの世界を統一しひいては救うためのそれがというのだ。
「そやからな」
「国力はやね」
「どんどん高めてくんや」
内政によってだ、そうするというのだ。
「そやから内政のそれぞれの分野の専門家得たことはな」
「大きいんやね」
「先の先を見据えるとな」
「太平洋全体の内政も考えると」
「ほんまに大きいことや」
芥川は綾乃にまたこのことを話した。
「そやからな」
「この子達もやね」
田中と美奈代をまた見つつだ、綾乃は芥川に話した。
「頑張ってもらうんやね」
「そういうことや、勿論千歳ちゃんにもな」
内政の専門職ではない彼女にもというのだ。
「そうしてもらうわ」
「そういうことやね」
「ああ、ほなこれからも頼むで」
芥川はまた三人に言った。
「そしてや」
「はい、あちらの世界を豊かにさせてもらいます」
田中は芥川に強い声で応えた。
「一日一日と、林業で」
「どんどん乳やお肉をよくして沢山出せる様にしますね」
美奈代も言った。
「酪農頑張ります」
「私も風水の術があります」
千歳は風水師として言った。
「励ませてもらいますね」
「その意気や、頼むで」
笑ってだ、芥川はまた三人に言った、そしてお互いに一時の別れの挨拶をしてしてそれからであった。
一行は今度は水産科に向かった、ここで中里は芥川に言った。
「いや、こうしてちゃう学科の校舎を移動するだけでな」
「ええ運動になるか」
「歩くからな」
それでというのだ。
「足腰強なってカロリーも消費するわ」
「人間歩くのはスポーツの第一歩や」
芥川は中里にこう返した。
「そやからな」
「歩くことはやな」
「ええことや」
「そやな、これも鍛錬やな」
「部活のな、落語も漫才もな」
芥川がやっているそうしたこともというのだ、彼は基本落語だが漫才も行っていて勉強もしている。
「まずは体力や」
「それがあってこそやな」
「出来るもんや」
「体力がないとか」
「ええ落語も漫才も出来ん」
「体力を備えて勉強してか」
「そのうえでええお笑いが出来るからな」
こう中里に返した。
「そやから体力もや」
「お笑いには必要か」
「そや、ほな今から行くで」
「歩いてな」
「水産科までな」
こう言ってだった、三人で水産科に入った、そこで綾乃が言った。
「今度は一年の子だけやったね」
「そや、尾崎と又吉や」
この二人だとだ、芥川は綾乃に答えた。
「あの二人や」
「そやったね」
「尾崎はC組で又吉はE組や」
芥川は二人のクラスのことも話した。
「それぞれおるわ」
「そやったね」
「しかしうちはほんま学生の数多いな」
しみじみとしてだ、中里はこう言った。水産科の校舎すぐそこに海があるその中に入って。
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