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おぢばにおかえり

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第四十六話 受験が終わってその五

「査定もAになる様に」
「頑張ってるのね」
「そうしてます」
「それで学科は何処に行くの?」
「宗教学科に」
「って私と一緒じゃない」
 何か前にも言われた気がしますが意外だと思って言い返しました。
「おみちのことを勉強したいの」
「はい、じっくりと」
「けれど阿波野君のお家って教会でも布教所でもないでしょ」
 普通のサラリーマンのお家と聞いています。
「それなのになの」
「はい、将来は前期と後期の講習も受けて」
 自分から笑顔で言ってきました。
「それからも勉強させてもらおうって」
「何か教会長さんになるつもりみたいね」
「駄目ですか?」
「なれることはなれるから」
 このことも阿波野君にお話しました。
「事情教会を継いだり女の人しかいない教会にお婿さんに入ったり」
「ありますよね」
「ええ、おみちさえ真面目に信心していれば」
 そうしていると、です。別に教会長さんには教会のお家に生まれた人でないとなれないということはありません。
「そうだけれどね」
「いい教会長さんになりたいですね」
「本気なのね」
「はい、ある程度は」
「ある程度っていっても」
 それでもと思いました、阿波野君がまだ高校一年生なので。
「もうそんなこと思ってるの」
「高校入ってからそうなりました」
「そうなの。そもそもどうして天高に入ったの?」
 思えばこのことも不思議です、天理高校は教会の子が将来のことを考えておみちのことを勉強させてもらう為の学校ですから普通の家の子が入ることはあまりないからです。 
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