ドリトル先生と奇麗な薔薇園
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第十二幕その十一
「だからね」
「それならいいわね」
「事実をよく見極めるの」
「先生自身のそれをね」
「これは自信とかじゃないから」
「断じて違うから」
言葉に熱さえ込めて言う皆でした。
「だからね」
「先生はもっと事実を見極めるの」
「そうすればわかるから」
「先生が実はどうなのか」
「そのことがね」
「そうかな。僕みたいにもてない人はいないよ」
本当に現実がわかっていない先生です、それもこうしたことだけは。
「女性に縁なしでこれまで生きてきたしね」
「だから皆違うって言ってるのに」
「本当にやれやれね」
「これじゃあ僕達も本当にね」
「まだまだ苦労が必要ね」
「このことに関しては」
今はお手上げとなった皆でした、ですがそうしたお話の後で先生は皆にこうしたことも言ったのでした。
「まあとにかくね」
「とにかく?」
「とにかくっていうと?」
「うん、少し喉が渇いたからね」
だからというのです。
「お茶を飲もうかな」
「ああ、お茶ね」
「喉が渇いたから」
「それをっていうのね」
「そうしようかな、丁度十時だし」
午前のティータイムの時間もあってというのです。
「それじゃあね」
「ええ、ティータイムにしましょう」
「じゃあ研究室に帰りましょう」
「そうしましょう」
「いや、ここでね」
この薔薇園でというのです。
「ティータイムはどうかな」
「ここでなんだ」
「薔薇達を観ながら」
「そうしたいんだ」
「どうかな」
こう皆に尋ねました。
「ローズティーと薔薇のお菓子でね」
「いいね、じゃあね」
「ここで注文してね」
「それで飲もう」
「お菓子も食べよう」
ティーセットのそれをです。
「先生いい提案したね」
「ここで飲んでもいいね」
「じゃあお茶を注文して」
「ローズティーをね」
「薔薇のお菓子も頼んで」
「それで皆で食べましょう」
「そうしようね、いや薔薇はいいね」
またこう言った先生でした。
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