心桜「つっちゃー!」
七夏「あっ♪ ここちゃー、いらっしゃいです☆」
心桜「ちょっと、聞いてよー」
七夏「どしたの? ここちゃー?」
心桜「あたしのお爺ちゃんがさ---」
-----心桜 回想-----
お爺「心桜! お小遣いをあげよう!」
心桜「え? ホント!? わぁ~い! ありがとー!」
お爺ちゃんはそう言って、あたしの目の前で札束を扇子の様に広げ、1、2、3・・・とお札を数え始めた。
お爺「4、5、6、7・・・」
心桜「ちょっ、お爺ちゃん! そんなに沢山!?」
お爺「8、9!!」
・・・そう言って、お爺ちゃんは9枚を自分のお財布に戻し、手元に残った1枚をあたしにくれた。
心桜「あ・・・えっと、ありがと。お爺ちゃん・・・」
-----心桜 回想-----
七夏「わぁ☆ 良い事ありました☆」
心桜「まあ、良かったんだけど、何か悔しくてさ」
七夏「1枚でもお小遣いを貰えたのですから、そこは感謝しないと」
心桜「いや、1枚しか貰えなかった事が悔しいんじゃなくて、お爺ちゃんの作戦に舞い踊らされたあたし自身が情けなくて・・・しかも、その後のおじいちゃんの『してやったり感120%のドヤ顔』が脳裏に焼きついて・・・あ゛ーくやしーーー!」
七夏「ここちゃー落ち着いて!」
心桜「くやしぃ~んだけど、ま、何も労せずお小遣いを貰えたからよしとしますか!」
七夏「くすっ☆」
心桜「という訳で、つっちゃー!」
七夏「は、はい!?」
心桜「ソーダ・ラムネアイス、ふたつくださいな!」
七夏「え!? あ、ありがとうです☆ ちょっと待っててくださいね☆」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「お待たせしました。ここちゃー、いくら暑いからって、一気に2本もアイスを食べると、お腹がびっくりしますよ」
心桜「何言ってんの!? 1本はつっちゃーの分だよ!?」
七夏「え!?」
心桜「お小遣い貰った話だけしてそれで終わりだったら、あたし単にイヤミな奴だよ!」
七夏「そんな事、思わないです☆」
心桜「という訳で、1本はつっちゃーのね! 遠慮禁止!!」
七夏「はい☆ ありがとーです☆ ここちゃー☆」
笹夜「こんにちは♪」
七夏「笹夜先輩☆ いらっしゃいです☆」
心桜「ふごふご・・・」
笹夜「こ、心桜さん!? すみません。大丈夫かしら?」
心桜「あーいえいえ! アイスほうばってたから・・・こんちわ! 笹夜先輩!」
七夏「笹夜先輩もアイス、如何ですか?」
心桜「おっ! つっちゃーが営業してる?」
七夏「そういう訳ではなくて・・・」
笹夜「では、私も、おひとつお願いします♪」
七夏「はい☆ ありがとうです☆」
笹夜「いつも頂いてばかりですから、お礼も必要です♪」
七夏「笹夜先輩☆」
笹夜「はい?」
七夏「えっと、メロンアイスがあります☆」
笹夜「まあ♪ では、メロンアイスをお願いします♪」
七夏「はい☆」
笹夜「ところで、今日は何のお話をされていたのかしら?」
心桜「それがですね・・・」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
心桜「・・・という事なのです」
笹夜「なるほど」
心桜「まじ、やられた! って事になるんですけど、笹夜先輩は、そんな事あったりします?」
笹夜「え!? 私ですか? えっと・・・」
心桜「つっちゃーは?」
七夏「え!? 私!? えっと・・・」
心桜「あー、同じ反応か・・・お二人ってそういう共通点がありますよね?」
笹夜「あ、そう言えば・・・」
心桜「おっ! 何かありましたか?」
笹夜「美夜が私の櫛を勝手に使って、どこかに置き忘れてしまった事があって---」
-----笹夜 回想-----
笹夜「美夜、人の物を勝手に使ったらダメです!」
美夜「『人の物』だよね? お姉ちゃんのじゃないよね!?」
笹夜「そ、それは・・・」
美夜「ふふ~ん♪」
笹夜「もう! 美夜っ! 私の櫛です!」
美夜「わわっ! お姉ちゃんが怒ったぁ~!」
-----笹夜 回想-----
心桜「あははー! 美夜っち、なかなかやりますなぁ~」
七夏「こ、ここちゃー! 笹夜先輩、すみません!」
笹夜「いえいえ♪ でも、いつも美夜には振り回されてる気がします」
七夏「楽しそうでいいなと思います☆」
笹夜「苦労が絶えません・・・」
心桜「それにしても、笹夜先輩を打ちのめせる人って、そうそう居ないような気がしますけど」
笹夜「打ちのめすって・・・」
心桜「あ、手堅いっていう意味です。いつも鋭く切り込まれてますから」
笹夜「そうかしら?」
七夏「はい☆ 笹夜先輩は頼りになります☆」
笹夜「ありがとう♪ 自分の話した事に対して、返ってくる言葉を予測しながら話を進めるのは大切な事です」
心桜「なるほど」
笹夜「でも、自分が慌てていたり、冷静ではない状態では、返ってくる言葉の予測をしないまま話してしまう事があって、そのような時は、こちらも隙が大きい状態と言えます」
七夏「隙が大きい?」
笹夜「ええ。相手のお返事によっては対処できなくなってしまいます」
心桜「詰み・・・ですね?」
笹夜「そうならないように、気をつけたいですね♪」
七夏「はい☆」
心桜「んじゃ、これからも詰まないように、つっちゃーが頑張る『翠碧色の虹』本編はこちら!」
心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_frma_a.htm」
七夏「詰むって・・・」
心桜「あたしたち『ココナッツ』宛ての、お手紙はこちら!」
心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_suiheki_novel.htm#QUESTIONNAIRE」
笹夜「七夏ちゃん♪ 頑張って♪」
七夏「は、はい☆」
心桜「いや~、もう色々と詰んでるような気がしてさ」
笹夜「え!?」
七夏「もう・・・ここちゃー!」
随筆二十九 完
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随筆二十九をお読みくださり、ありがとうございました!
本編の方も鋭意制作中ですので、どうぞよろしくお願い申しあげます!