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空に星が輝く様に

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79部分:第七話 二人の仲その四


第七話 二人の仲その四

「たださ」
「ただ?」
「あれだよな。稽古しなくていいのかな?とかも思ったりするし」
 そうした考えも持ってしまうというのだ。
「実際。素振りはかなりしているけれどさ」
「素振りはなんですね」
「それでも防具つけての稽古はあまりしないんだよな」
 首を傾げながらの言葉だった。
「もう走ってばっかりでさ」
「けれど素振りはしてますよね」
「うん、それはね」
 していると答える。
「早素振りも大きな素振りもね。一通りしてるよ、切り返しとかもね」
「切り返し?」
「ほら、あれ」
 その切り返しの説明を月美に対してはじめた。
「一回面を打ってね」
「はい」
「左右に四本前に出ながら打ってそれから後ろに下がりながら五本ね」
「ああ、そういえばされてますよね」
「それを一人でやるんだ。本当は防具着けて相手と一緒にするんだけどさ」
「そういえば防具を着けられた時も」
 月美は色々と気付いた。まさに言われてみればだ。
「されてますね」
「そうなんだ、あとその元の左右の素振りもしてるし」
「大体何回位ですか?」
「全部合わせて千回かな」
 それだけだという。
「それ位はしてるけれどね。もっとかな」
「じゃあかなりですね」
「そうだろうね。とにかく走って素振りして」
 所謂基礎トレーニングばかりである。
「そういうことばかりなんだよな」
「けれどそれでいいんじゃないですか?」
「いいかな」
「はい、いいと思います」
 こう言って応える月美だった。
「何事も基礎ですから」
「基礎ね」
「そう、基礎ですから」
 また言う月美だった。
「それをしっかりとしてからですから」
「うん、それは俺もわかるよ」
 陽太郎もそれはわかっていた。流石にそれがわからない程愚かではない。伊達にその剣道も二段までいっているわけではない。
「基礎ができてないと本当の力じゃないからさ」
「そうですよね。居合部も走りますし」
「走るからいいんだよな」
「走らない部活はやっぱり強くないです」
 月美の言葉はかなり真面目なものになっていた。
「基礎ができていないと」
「とにかく基礎なんだよな」
「そうだと思います。学校の勉強でも」
「そうそう。俺もさ」
「斉宮君もですか」
「今妹が小学校一年なんだよ」
 自分の妹の話をここでした。
「それに勉強教える時とか。何か自分でも色々と忘れていることに気付くんだよな。小学校一年の勉強なんか楽に教えられる筈なのにさ」
「あっ、それは私もです」
「西堀もって?」
「私も妹います」
 まずはそこから話すのだった。
「小学校五年で」
「へえ、妹さんいたんだ」
「その妹に勉強教える時に」
 そこから話すのであった。
「色々と忘れていることに気付きます」
「成程、西堀もそうなんだ」
「はい。結構小学校の時の勉強って大事ですよね」
「今にも生きるしね」
「それを忘れていたりしますから」
 また言う月美だった。
 
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