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空に星が輝く様に

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500部分:第三十九話 あの場所へその十


第三十九話 あの場所へその十

「そんなものは絶対に手に入れるべき」
「けれどよくない相手は」
「それは当然だけれど」
「そうでなかったらね」
「佐藤さん相手は選り好みする?」
 椎名は正面を向いたまま星華に問うた。
「それはする?」
「選り好み?」
「そう。あれはいいとかこれは駄目だとか」
 そうした感じでだというのである。
「そうした選り好みはするのかな」
「相当おかしな。犯罪者とかじゃなかったらだけれど」
 星華はその駄目だという範囲はかなり狭めさせて述べた。実際の彼女の考えをだ。それを今椎名に対して述べたのである。そうしたのだ。
「けれどそうじゃなかったら」
「容姿よりもなのね」
「ええ、性格よ」
 そちらをより見るというのだ。
「性格が。やっぱり大事だから」
「その人の性格ね」
「性格を見るって難しいけれどね」
 星華はこう言って苦笑いめいた笑みも浮かべた。
「それでも。性格悪い奴と付き合ってもよくないじゃない」
「そう。嫌な思いをする」
「意地悪だったり。エゴばっかりとかね」
「そういう奴も実際にいるから」
「そういう奴は駄目よ」
 星華もそこはしっかりと一線を引いていた。
「けれど。逆に言えばね」
「性格がよかったら」
「顔とかはいいから」
「そうなのね」
「そう、あくまで性格だから」
 このことは確かに言うのだった。
「それを見たいから」
「そういうことを意識していると」
「いいのね」
「その通り。佐藤さん絶対にいい恋愛できる」
 椎名は太鼓判さえ出してきた。
「それももうすぐ」
「その言葉信じていいわね」
「是非」
 そうしてくれというのである。
「そういうことで」
「有り難う。じゃあ今は待つわね」
 その相手が自分の前に出て来るのをというのだ。
「じっくりとね」
「そうしておいて。それにしても」
「それにしても?」
「佐藤さんがどうして斉宮を好きだったか」
 そのことをだ。ここで話に出してきたのである。
「それもわかった」
「どうしてかって?」
「斉宮はいい奴」
 椎名もだ。とてもよくわかっていることである。それを言うのだった。
「あんないい奴はいない」
「そうよね。それはね」
「だから佐藤さんも好きになった。それがわかった」
「昔の話よ」
 今は違う。吹っ切ったからこその言葉だ。
「もうね。それはね」
「けれどわかった。佐藤さんも」
「私も?」
「それだけの人。斉宮を好きになるだけの」
「それだけのものが私にもあるっていうのね」
「そうだ。だから」
 それでだというjのだ。椎名は言葉を続けていく。
「幸せになれるから」
「今度の恋でね」
「そう、なれる」
 間違いないといった口調でさえあった。
「安心しておいて」
「そうさせてもらうわね。楽しみよ」
 星華も顔を正面に向けた。そうしてまた言った。
「本当にどんな相手かね」
「期待してるんだ」
「不安もあるけれど」
 それは否定できなかった。今の彼女は期待と不安、その二つの感情が混ざり合っているのだ。それは自分でもよくわかっていることだった。
 
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