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水の妖精

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第一章

               水の妖精
 自らの国を滅ぼしてしまったセシルは一人旅を続けていた、国を滅ぼしたその力は絶大で女の一人旅でもどういったならず者もモンスターも倒して旅を続けられた。
 その旅の中でだ、セシルは自分と同じ一人で旅を続ける少女の冒険者と出会った。
 その少女は水色の髪の毛に青い瞳を持っていて背はセシルよりも数センチ高かった。職業は戦士でありセシルが最初彼女を見たのは闘技場においてだった。
 闘技場で一人マンティコアを倒した、少女は剣技だけでなく水の魔法も使ってそのうえで三体のマンティコアを倒していた。
 その戦いぶりを見てだ、セシルは少女に声をかけたのだ。
「凄い戦いだったわね」
「そうかしら」
「三体のマンティコアを倒すなんてね」
 それこそというのだ。
「凄かったわね」
「あれ位出来ないとね」
 笑ってだ、少女はセシルにこう返した。
「一人で冒険とか出来ないわよ」
「一人でなのね」
「そうよ。ドラゴンと戦うことだってあるでしょ」
 一人で冒険をしていればというのだ。
「だからね」
「あれ位出来て当然っていうのね」
「そうよ、それであんたじゃどうなの?」
「私は?」
「そう、あんたはね」
 彼はと言うのだった。
「どうなのよ」
「私もよ」
 笑ってだ、セシルは少女に答えた。
「一人で冒険者をしているわ」
「私と一緒ね。だったらね」
「わかるっていうのね」
「実際そうでしょ、マンティコアでもね」
 ただ強いだけではなく極めて狂暴なこのモンスターでもというのだ。
「三体位一人で倒せないと」
「駄目ね、しかもね」
「闘技場はいつも前から出て来るわね」
「外では違うわ」
 森や山を通るその時はというのだ。
「それこそね」
「そうよね、後ろから襲われたり」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「闘技場ではあれ位出来ないと」
「前からしか来ないなら」
「そうよ、私もやってみせたのよ」
 そうだったというのだ。
「普通にね」
「そうなのね、それで今日お金入ったわね」
「さっき勝ってね」
 闘技場でというのだ。
「私もここに来るまでに実はゴールドドラゴン倒してね」
「凄いのやっつけたわね」
「お金持ってるのよ、いいお店に入って」
 そしてというのだ。
「美味しいもの食べましょう」
「二人でなのね」
「ここで会ったのも何かの縁だし」
 それでというのだ。
「二人でね」
「一緒にね」
「飲んで食べましょう」
 二人で話してだ、そしてだった。
 実際にだった、セシルは少女と二人でこの街で一番いい店に入ってそのうえで楽しんで飲んだ。ここからだった。
 セシルは少女と意気投合して二人で冒険をする様になった、すると一人でいる時より楽にしかも明るく冒険が出来て。
 少女はセシルにとってこれ以上はないパートナーとなっていった、そうしてその中で彼女は少女に完全に打ち解けてだった。
 ある日自分の身の上を話した、その時二人で冒険の途中夜焚火を囲んで狩りで手に入れた猪を捌いてその肉を焼いて食っていた。
 その猪の肉を食いつつだ、自分のことを話したのだった。 
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