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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその三十

「絶対にね」
「何か最近噂になってますけれど」
「私が阿波野君と付き合ってるって?」
「よく一緒にいますんで」
「たまたまよ、自分から愛に行ったことなんて一度もないし」
「一度もですか」
「そうよ、ないわよ」 
 変な噂になっているみたいだと感じました、それで私は一年生の娘に強く言っておきました。
「間違ってもね」
「そうなんですか」
「そうよ、一年の娘の間で噂になってるの?」
「ちょっと」
 実際にそうみたいです。
「そうなってます」
「だからそうしたことはないから」
 ムキになっていると自分でもわかりましたがそれでも言いました、冗談じゃないことなので。
「誤解されてるかも知れないけれど」
「そうですが、ですが」
「ですが?」
「先輩お婿さん必要ですよね」
 このことを聞いてきました。
「だったら丁度いいんじゃ」
「同じ奥華だしね」 
 二年生の娘も言ってきました。
「おみちに熱くて真面目なら」
「そうですよね」
「後は先輩がフォローしていけば」
「大丈夫よね」
「そうですよね」
「何でそうなるのよ」
 私は今度は二人にむっとして言いました。
「確かにお婿さん必要だけれど」
「じゃあ今から」
「ゲットしておいて」
「いや、そうもならないでしょ」
 まだ十八歳で高校三年生です、それでそうしたことを考えるのはまだまだ早いと思います。
「早過ぎるから」
「ですが十六歳で結婚出来ますよ」
 一年生の娘は私にこうも言ってきました。 
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