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夢幻水滸伝

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第六十二話 東国平定その十三

「そして勝ち残った勢力がな」
「太平洋を統一するか」
「そうなる、しかし我々はな」
「今の諸勢力、覇権を競う勢力の中ではか」
「人口も軍の規模も国力も一番低い」
 そうした状況だというのだ。
「残念ながらな」
「ああ、人口は一億四千万でな」
「南洋、中国、アメリカ、中南米と比べるとな」
「確かに人口とかは一番少ないな」
「技術は二番目だが」
「アメリカはダントツでな」
「そちらは次に中国だ」
 この世界ではこうした技術の状況だというのだ。
「術も含めた進歩の度合いはな」
「アメリカは科学が特に進化しているからな」
「そうだ、科学もある世界だが」
「そっちはアメリカがダントツか」
「この世界でもと言うべきか。欧州の科学技術はこちらの世界ではむしろ太平洋より低いが」
 室生は欧州の状況も話した。
「とにかく技術はアメリカだ、国力もな」
「あそこが一番だな」
「そして人口と兵の数では中国だ」
 この国になるというのだ。
「十四億の人口だ、その分強いぞ」
「この二国が一番の敵になるか」
「神星も二人ずついるしな」
「そうだな、あと南洋も星の奴は二人だしな」
 幸田はこの勢力の話もした。
「技術はそれ程でなくてもな」
「あそこの技術はこれからだ、しかし人口は我々の七倍はいる」
「やっぱり多いな」
「中南米もアフリカとの連合で相当な規模になった」
「っていうか両方合わせたら人口滅茶苦茶多いだろ」
「むしろ中国より多いか」
「普通に二十億はいるだろ」
「そうだな、神星の者は一人で全ての国を合わせてもアメリカや中国より低いが」
 しかしというのだ。
「個性的な星の者も多いしな」
「あそこも怖いか」
「どう考えても我々が一番弱い」
 日本がというのだ。
「そのことを頭に入れてだ」
「そうしてだな」
「戦いそしてだ」
「勝ち残るしかないか」
「わかったな、では今はな」
「ああ、もう限界だ」
 喋っているのもだ、幸田は全身に激しいどうしようもないまでの疲労を感じていた。それで室生に言ったのだった。
「これでな」
「寝るか」
「寝かせてくれ、話は後だ」
「わかった、ではな」
「起きてから綾乃ちゃんと話をするな」
 こう室生に言ってだ、幸田は眠りに入った。そうしてその後で東国の星の者全員で綾乃に正式に下降り彼女の下に入った。ここにこの世界での日本は完全に統一された。


第六十二話   完


                 2018・4・15 
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