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空に星が輝く様に

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478部分:第三十七話 星座その八


第三十七話 星座その八

「そこにしよう」
「うん、それじゃあね」
「明るい気持ちの時は明るい場所で」
 椎名はまた話した。
「そうしたいから」
「だからなんだ」
「そう。それで」
「それで?」
「また一人友達ができた」
 椎名はその明るい笑顔をさらに明るくさせて述べた。
「そうなった」
「ああ、そういえばさっき」
「そう、あの娘」
 プラネタリウムでのことをだ。赤瀬にも話すのだった。
「あの娘と友達になれた」
「確か。隣のクラスの」
「そう、四組の」
「あの娘だったよね」
「名前は佐藤」
 椎名はまず名字から話した。
「佐藤星華」
「そうだったね。佐藤さんだったね」
「本当はとてもいい娘だった」
 星華のことをだ。こう赤瀬に話した。
「ずっとそうは思っていなかったけれど」
「けれどなんだね」
「そう。やっぱり人間はわかりにくい」
 椎名は話していく。その星華のことをだ。
「一面だけを見ていたら」
「椎名さんでもなの」
「私も。人間だから」
「人間だから?」
「万能じゃない」
 そうだというのだった。椎名はここでは謙虚だった。
「間違いや見落としがある」
「そうなんだね」
「そう。けれど気付いたから」
「そして気付いたからには」
「私、あの娘と友達になったから」
 言葉を続ける。微笑んだまま。
「何かあったら力になりたい」
「そこが椎名さんのいいところだよ」
「いいの」
「こんなこと言ったら格好つけだけれど」
 それでもだと。言葉にそのニュアンスを入れて語る赤瀬だった。
「人間ってまずは心だからね」
「それが第一」
「そう思うよ。幾ら頭がよかったり運動神経がよくても」
 それでもだというのだ。まずはと。
「心がしっかりしていないとね」
「この場合は清らかなら」
「そうだよね。じゃあね」
「今度一緒に行って来る」
 椎名は微笑みをそのままにして語っていく。
「お星様のところに」
「頑張ってきてね」
「有り難う」
 こうしてだった。椎名もまたそれに向かうのだった。新しい友達のところに。
 陽太郎と月美は。まだ二人で月美の家にいた。そこで今はだった。
「何か悪いよな」
「悪いですか?」
「いや、お菓子だけじゃなくてさ」
「晩御飯もですか」
「本当にいいんだよな」
 申し訳なさそうにだ。月美に対して言うのだった。二人は今向かい合って応接間のソファーに座っている。そのうえでのやり取りだった。
「晩御飯まで」
「はい、母がです」
「お袋さんがいいっていうんだって?」
「ですから待っていて下さいね」
 月美はにこりと笑って陽太郎に話す。
「今日の晩御飯は」
「晩御飯は?」
「御馳走ですよ」
 そうしてだ。これだと話すのだった。
「お刺身に」
「あっ、和食か」
「はい、鮭とハマチのお刺身です」
「二つもかよ」
「それと湯葉に酢のものにほうれん草のお浸しに」
 野菜もあった。
 
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