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エンジェルオブニート

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第三章

「暫くです」
「このお部屋出てなの」
「困っている人達を助けに行ってきます」
 そうするというのだ。
「暫く帰りません」
「遂に出番が来たのね」
「はい」
 その通りと言うのだった。
「そうなりました」
「そうなのね、絶対に行くわよね」
「私は天使です」
 無表情だが確かな声での返事だった。
「ですから」
「そうよね、困っている人や地域を助けることがね」
「私の仕事ですから」
 それ故にというのだ。
「これよりです」
「行って来るのね」
「そうしてきます。既に日本の神仏の方々も動かれています」
 アルフェリアと同じ様な存在である彼等もというのだ。
「ですから」
「あんたもなのね」
「すぐに行ってきます」
「そうなのね、もう自衛隊の人達も出ることが決まってるし」
 この人達もというのだ。
「あんたもね」
「頑張ってきます」
「そうしてね。じゃあ帰ってきたら」
 その時のこともだ、OLは話した。
「何を食べたいの?」
「そうですね、では光りものを」
「あんた天使だから光るもの好きだしね」
「それをお願いします」
「光りものっていうと青魚のお刺身ね」
 和食からだ、OLは述べた。
「じゃあ鯖か鯵の新鮮なお刺身をね」
「私が帰った時にですね」
「ご馳走するわ、頑張ってきてね」
「それでは」
 アルフェリアはOLに笑顔で応えた、そしてすぐに被災地に向かい。
 困っている人達の為に働いた、普段は人界ではニートである彼女もこの時は違っていた。まごうかたなき天界の天使達だった。
 だが救助活動が終わるとだ、OLの部屋に戻って。
 鯖の刺身を食べつつだ、OLにこう言われた。
「じゃあまたね」
「はい、何かある時まで」
「ニート生活ね」
「人の世界ではそうなります」
 まさにというのだ。
「これから」
「そうね、けれど本当にあんたがニートでいる方が」
「日本にとってはいいことですね」
「何もないってことだからね」
 だからだとだ、OLはアルフェリアに笑って話した。そして彼女が食べている鯖の刺身を一緒に食べるのだった。


エンジェルオブニート   完


                     2018・8・24 
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