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空に星が輝く様に

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47部分:第四話 桜の木の下でその十


第四話 桜の木の下でその十

「じゃあ。ホッケがあれば」
「ホッケ!?ホッケって」
「あのお魚の?」
「そう、あれ」
 そのホッケだというのである。
「あれがあればいいけれど」
「あれは確かに美味しいけれど」
「学校の食堂にあるかしら」
「そうよね」
 三人はこのことにはかなり疑問であった。確かに学校の食堂には普通ホッケのようなそうした魚はあまり見られないものではある。
「それがなかったらどうするの?」
「その時は」
「その時は鯖や鮭でも」
 こうも言う星華だった。
「とにかくお魚がいいわ」
「星華ちゃんってお魚好きなの」
「そうなの?」
「ええ、好きよ」
 実際にそうだと答えるのだった。
「お魚はね。特に味噌煮とかフライとかお刺身とか」
「そうなの。お魚好きなの」
「そうだったの」
「天麩羅も好きよ」
 言いながら大体フライと似たものだと思ったがそれでも言うのだった。
「海のものなら何でも」
「そう。じゃあカキフライでもいいのね」
「海老フライでね」
「どちらも大好きよ」
 フライを聞いても笑顔になるのだった。
「とにかく。海のものがあればいいわね」
「じゃあ天麩羅うどんとか」
「そういうのは?」
「あっ、それもいいわね」
 実際に笑顔になる星華だった。やはり好きなのである。
「おうどんも嫌いじゃないし」
「とにかく食堂行こう」
「まずはね」
「そうよね。最初はね」
 こうして話は決まった。こうして四人でその食堂に向かう。
 その昼陽太郎はだ。まずは購買部に行った。そこでパンを買うのである。
「サンドイッチにしたの」
「他にも色々買ったけれどな」
 椎名達と一緒だ。他には狭山に津島、それと赤瀬といった面々だった。
「まあサンドイッチが多いよな」
「何サンドにしたの?」
「ハンバーグサンドにカツサンドにな」
「他は?」
「ハムサンドに野菜サンド。あとホットドッグ買ったよ」
「多いわね」
「ホットドッグは二本な」
 それだけ買ったというのである。
「さあ、何処で食うかだよな」
「それならいい場所があるよ」
 陽太郎のそれと比べて二倍もの数はあるパン類を持っている赤瀬が言ってきた。
「中庭に行けばいいよ」
「中庭か」
「そう、そこ」
 そこだというのである。
「そこでどうかな」
「いいんじゃないか?」
「そうよね」
 狭山と津島はお握りを買っている。それを持っての話である。
「今日は天気もいいしな」
「桜を見ながらってのもいいわよね」
「そうね」
 椎名は二人の言葉にも応えて頷いた。
「それじゃあ行きましょう」
「そうだな。じゃあ場所は」
 陽太郎はその食べる場所についても考えた。
「何処がいいだろうな」
「いい場所があるわ」
 ここでまた言う椎名だった。
「それなら」
「何処?そこ」
「まずは外に出ましょう」
 他の四人に告げた言葉だった。
 
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