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オズのガラスの猫

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第十幕その一

                第十幕  次から次に起こること
 一行は香辛料を貰ってから猫の国に行きます、ですが。
 一行の目の前にです、何とです。
 クレバスがありました、ナターシャはそのクレバスを見て真っ青になりました。
「ここに落ちたら」
「うん、もうね」
 ジョージも言います。
「上がられないかもね」
「こんなところに落ちたら」
 神宝は真っ青になっています。
「大変だよ」
「しかも幅もあるし」
 カルロスはクレバスのその幅を見ています。
「飛び越えられなかったら」
「どうしようかしら」
 恵梨香は先に行くことを考えて言うのでした。
「このクレバスは」
「そんなの簡単でしょ」
 ガラスの猫は困ったお顔になっている五人に平然として言いました。
「クレバスがない場所まで遠回りしてね」
「そうしてなの」
「そう、クレバスを避けて行けばいいのよ」
「そうなの」
「それだけのことよ」
 こうナターシャにお話するのでした。
「とても簡単なことよ」
「それはそうだけれど」
「何の問題もないじゃない」
「というか幅は五メートル位じゃない」
 つぎはぎ娘はクレバスの幅を見ても平気な感じです。
「普通に飛び越えられるわよ」
「私達は子供だから」
 ナターシャは子供の身体能力からつぎはぎ娘に答えました。
「だから」
「飛び越えられないのね」
「五メートルもあったら」
 とてもというのです。
「無理よ、カルロスでもね」
「カルロス運動神経抜群だけれどね」
「無理よ、流石にね」
 幾ら運動神経が凄くてもまだ小学生だからです、実際にカルロスも無理だからと首を横に振っています。しかも必死のお顔で。
「それはね」
「そうなのね」
「そうよ、ちょっとね」
「それにーーです」
 チクタクも言います。
「このクレバスーーをーー放置ーーしてはーーです」
「駄目よね」
「はいーー何とかーーしませんーーと」
 ナターシャに応えて言うチクタクでした。
「大変ーーです」
「そうね、どうしようかしら」
「こうした時の為の魔法よ」
 ここで言ったのはオズマでした。
「そうでしょ」
「あっ、そうですね」
「こうしたことはもうね」
「考えておられるんですね」
「そうよ、このクレバスは前にここに来た時はなかったけれど」
「それでもですか」
「何とか出来るわ」
 こうナターシャに答えてです、そのうえで。 
 オズマは一歩前に出て服の懐からあるものを出しました、それは一本の白いチョークでした。そのチョークで、です。
 クレバスのところまで行ってクレバスの上でチョークを書く仕草をするとあっという間にでした、そのクレバスが。
 地面になってしまいました、オズマはそうしてクレバスを消してから皆に笑顔で言いました。 
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