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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第九幕その十一

「先生も女の子からお誘いを受けるなんてね」
「それが何かな」
「相変わらずもてるね」
「僕がもてることはないから」
 そこは笑って否定する先生でした。
「絶対にね」
「だからなんだ」
「それはないよ」
 例え何があってもというのです。
「ただお誘いを受けただけで」
「それでなんだ」
「別に何もね」
 さらにお話する先生でした。
「デートとかのお誘いじゃないよ」
「ふうん、そうなんだ」
「僕はスポーツと女性には縁がないんだ」
「まあスポーツはそうだね」
「馬に乗れて歩くことは出来るけれどね」
 それでもというのです。
「スポーツは全部駄目で」
「運動音痴だよね、先生は」
「そうだよ、運動音痴なうえに太ってるからね」
 それで身体が重いからというのです。
「子供の頃からスポーツは全部駄目だよ」
「それは僕も知ってるけれどね」
「それ以上にもてることはね」
 この要素はさらにというのです。
「ないよ」
「そうなんだ」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「僕はただチケットを貰っただけだよ」
「そう思っているのならいいけれどね、僕は」
 思わせぶりに言う王子でした。
「先生がね」
「何かある言い方に思えるけれど」
「まあ先生が気付かないから、とにかくチケットは貰ったし」
「うん、じゃあね」
「舞台一緒に楽しもうね」
「そうしようね」
「そういえば最近日笠さん見ないけれど」
 王子は先生が女性に縁がないと言ったことからこの人のことを思い出しました。
「動物園のお仕事が忙しいのかな」
「日笠さんは今ブラジルに出張中なんだ」
「あっ、そうなんだ」
「アマゾンの生きものの研究と保護のことでね」
「学会とかあるんだ」
「あと現地調査とかね」
 そのアマゾンでというのです。
「だから今はね」
「日本におられないんだ」
「そうなんだ、お土産を楽しみにと言ってたよ」
「ブラジルでも頑張ってきて欲しいね」
「そうだね、ブラジルは凄い国だよ」
 先生は王子にこの国のこともお話しました、それも明るい笑顔で。
「アマゾンときたらね」
「凄い生態系だよね」
「アフリカにも負けない位にね」
「いや、あそこはもうね」
「アフリカのジャングルよりもかな」
「凄い場所だよ」
 王子はアマゾンについてこう言うのでした。
「アフリカはターザンだけれどアマゾンはね」
「何かな」
「日本の特撮ヒーローもいたからね」
「ああ、そうしたヒーローもいたね」
 先生も笑顔で頷きました。 
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