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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十三話 秋のはじまりその四

「そうなります、ですから」
「健康には要注意ですね」
「はい、そしてその為には水分はです」
「大事ですね」
「お身体には」
「わかりました、本当に気をつけていきます」
「長生きはするものです」
 畑中さんは僕に微笑んでこうもお話してくれた。
「それだけいい思いをします」
「そう言われてますね」
「はい、ですから」
「長生きの為にも」
「お身体には気をつけて下さい」
「二十代で脳梗塞になって亡くなったら」
 もうそれこそだ。
「死んでも死にきれませんね」
「左様ですね」
「痛風も嫌ですし」
「あの病気は非常に痛いと聞いています」
「死ぬことはないですよね」
「そうしたことはないと思いますが身体を痛めますので」
 何しろ風が吹いただけで痛いという、足の親指の付け根が万力で締められる様なとんでもない痛みだという。
「お気をつけを」
「ビールの飲み過ぎとかでなりますね」
「スポーツ選手は昔はよくなりました」
「激しい運動の後お水やお茶でなくですね」
「ビールをがぶ飲みしますと」
「痛風になりやすいんですね」
「はい、余計にです」
 普通にビールを飲むよりもだ。
「よくお風呂上りにビールなぞといいますね」
「よくそうした人いますね」
「確かに汗をかいていて美味しいでしょうが」
「お水じゃないですから」
 お酒と普通の水分は違う、アルコールは体内の水分を出す作用があるのだ。
「それにビールとなりますと」
「プリン体もあって」
 今は入っていないビールもあるけれどだ。
「そうしたのを飲みますと」
「それも多くです」 
 汗をかいた後にだ、身体が余計に水分を求めている時に普通の水気ではないものを飲んでしまってだ。
「それではです」
「痛風になるのも道理ですね」
「はい、昔のプロ野球選手でもありました」
「痛風になった人がいたんですか」
「それで引退せざるを得なくなった人もいました」
「そうだったんですね」
「もうベテランではありましたが」
 それでもというのだ。
「ようやく三百五十勝してです」
「ああ、米田哲也さんですね」
「あの方です」
「あの人のことは僕も知ってます」 
 ガソリンタンクと呼ばれた大投手だ、無尽蔵と言われたスタミナとヨネボールと呼ばれる独特の変化球で活躍した。
「阪急や阪神で活躍しましたね」
「最後は近鉄で」
「三百五十勝は凄いですね」
「もう達成する人もいないかも知れません」
「そんな人でもですか」
「最後は痛風に罹られて」
 そうしてというのだ。
「引退してしまいました」
「そうですか」
「はい、そしてです」
 その結果というのだ。
「何とか三百五十勝を達成しましたが」
「引退されたんですね」
「足が痛くて辛かったそうです」
 痛風独特のそれで苦しんでというのだ。
「スパイクも履けないまでに」
「そこまでですか」
「そうです、ですから」
「痛風にはですね」
「義和様もご注意を」
 そこはというのだ。 
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