GOD EATER STUDIUM
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第一部 少年たち
第四章
適合
前書き
文章力が欲しいです。
「いいですかリンドウさん、怒らせるようなこと言って」
「うん、まああれだ。早めに現実ってやつを直視してほしくてな」
「はあ。でもあんな嘘つく意味ありました? あれじゃあリンドウさんが悪者みたいですよ」
「それでもいいさ。あいつには俺を超える男になってもらわないといけないからな」
「そうですか。あの子に対してリンドウさんがなにを考えているか。私にわからないです」
更にドン引きです。と彼女は付け加えて言った。
「かもしれないな。まそれだけあいつには期待しているってことだ」
「なら、しっかりそう言ってあげるべきですよ。強くなれなんて遠回しな言い方しなくとも」
彼女は少し強気に言う。余程さっきの言い方は彼女の中で酷かったようだ。
「そうなんだが、一応あいつが犯したことは一歩間違えれば危険な行為だ。そのことも踏まえての発言のつもりだったが……」
彼女の様子を窺ったのか少し文末の発言に力がなかった。
「なら! 先ずは厳しく叱ってあげてください。そのあとに素直に褒めてあげてください」
少し感心した様子を示す。しかし本人はあまり納得できていないようだ。それを見て彼女はムッとしたようで口を尖らせた。
「いや、悪かった次からは気を付けるからその顔辞めてくれ」
嫌です。と彼女は返事をする。それは困ったようで眉をひそめて頭を軽く掻く。
「そうだ、そうか、そういえば、アリサはあいつの神機を見てなかったな?」
困り果てた挙句、話題を変えてみるが彼女に怪訝な顔で見られてしまう。
「あの子の神機ですか。見たことはありませんけど、それが何か関係あるのですか?」
「いやこれが大いに関係してな。あの実験覚えているか? 例のアラガミのコアから一つの神機を開発した実験だ」
実験というキーワードが当てはまることがらが多く彼女は、どの実験が『あの実験』なのかを考える。すこし思い返してみて一つの実験が引っ掛かったみたいだ。
「あの実験ってもしかしてあのオラクル細胞を用いた実験のことですか?」
「そうだ。俺たちが討伐したあのアラガミのコアの実験だ」
「それは知っています。わたしたちが提案したんですから。あの細胞のコアの多様な性質をもとに対アラガミ装甲の強化をしましたから」
「その後、あの細胞のコアをもとに一つの神機を開発してな。これはおもてざたになると不味いから秘密裏に行ったんだがな」
「そうなのですか? それは知らなかったです」
彼女は驚きの声をあげる。思わず周りを確認する。
「でもあの細胞は未知数だからもう少し研究が進んでから神機に用いるかを検討するって話でしたよね?」
「ああ、神機は人体に影響を及ぼす。細胞自体が普通の神機とは異なるからその神機使いがどうなるか定かではなかった。しかしその特質なコアから想像される神機に魅力を感じる研究者や開発者は山ほどいた。だが、その野心家を跳ね除けて神機には運用しないと決めたのが、ここフェンリル極東支部だ。しかし本部の者を筆頭に極東支部で秘密裏に開発されていた」
これは聞いたことあるだろ?と聞くと彼女は顔を横に振る。これには少し驚く。
「まさかあの細胞を用いた神機を開発するなんて、神機使いをなんだとおもっているのですか。危険性があるって立証されているのに」
彼女は研究者の非人道的な考え方に怒りをあらわにする。
「本部の連中にとってはそんなことどうでもよかったのかもしれないな」
「許せないですね。その神機の被験者が彼だったってことですか?」
「あいつは適合者としては二人目だ」
「二人目? 一人他にも適合者がいったんですね。その一人目は?」
「死んだことになっているな。本当に死んだのかは定かではないが、俺たちが実験を止めた時には、適合者がいなかったからな」
「一人目と二人目の空白の時に止めたってことですか?」
「そうなるな。実験に介入した時には研究がだいぶ進んでいたからな。人体にどのような影響を及ぼすかはある程度解明されていたからな。その犠牲があったから今みたいに実装段階にもっていけた訳だが」
「犠牲ですか……」
後書き
次回 8月30日です。
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