| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四十五話 二学期になってその二十一

「困った癖性分ですよね」
「そうした子だって意外で」
 そうはです、とても見えないので。今も。
「驚いているわ」
「けれど実際にそうなんですよ」
「そうなのね」
「そこは何とかしないとって思っていても」
「難しいのね」
「嫌いになると止まらないんです」
 自分でも困って言う阿波野君でした。
「これが」
「癖性分をなおすことは難しいけれど」
「僕の場合は特にですね」
「特に、かしら」
「自分ではそう思いますけれど」
「確かに困った癖性分だけれど」
 それでもとです、私は阿波野君に答えました、
「難しいかっていうと」
「特に、ですか」
「そこまではいかないと思うわ」
「そうなんですか」
「もっとややこしい癖性分の人いるから」
 世の中にはです。
「だからね」
「僕は特に、ですか」
「ええ、人の好き嫌いがお顔に出る位はね」
「嫌いがなくて大嫌いになるのも」
「まだね」
 それで嫌いな人を全否定することもです。
「物凄く厄介とまではいかないわ」
「そうですか」
「ええ、ただ癖性分はね」
 そのこと自体はと阿波野君にお話しました。
「なおした方がいいわ」
「自分がそう思うならですね」
「そう思ったらその時にはじめるものだから」
 思い立ったらその日が吉日、おみちの教えの一つです。
「だからね」
「わかりました、僕もそうします」
「そういうことでね」
「はい、何とか」
「というかそんなに嫌いな相手には顔とか態度に出るの」
「そうなんですよ」
「それは本当に意外だけれどね」
 今見てもとてもそうは思えないです、阿波野君がそうした人とはです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧