執筆手記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ネタバレ注意【SAOIF】爆死あーと・おんらいん
朝、目覚ましと共にアプリを起動してスキップ作業、爆死。
朝食を早めに終えて、アプリを起動、爆死。
学校から帰って即爆死。
宿題の片手間に爆死。
ALOでクエストしながら爆死。
みんなと雑談しながら爆死。
眠くなる寸前まで爆死。
そして。
「クラディールさん。単発で【晴朗ランサー】って出たんですけど当たりですか?」
「おめでとう。二等賞だ。銀賞ってところだな。野球で言う所のホームランだが場外ホームランじゃない感じ?」
「これで始めちゃいけないんですか?」
「悪くは無いな【蒼の追随】と全く同じ攻撃範囲だし瞬発力も同等、攻撃力は上なんだがクリティカル補正ないからな」
「クリティカル補正ですか?」
「このゲームはクリティカルが入るとダメージが倍以上になるからなぁ、【蒼の追随】のクリティカル上昇は破格なんだよな」
「じゃあ、このアカウントは……」
「サブアカウント行きだな、【蒼の追随】を諦めたその日に本アカウントになるが」
「……もう少し頑張ってみます」
「クラディールさん。【獅子奮迅】って当たりですか?」
「大抵の雑魚なら一撃で殺せるな、クールタイムが長いから牛歩ってイメージだが」
「牛歩?」
「牛が歩く並に遅いって意味だな、単体攻撃で攻撃力も高いからボス戦じゃ超重宝するが雑魚相手だと手数が足らん」
「じゃあ、IDメモして放置します」
「がんばれ」
…
……
………
「シリカ、喜べ!!」
「どうしたんですかクラディールさん?」
「今日から復刻ガチャだ片手剣最強のソードスキル【ハニカミノエル】が復刻するんだ!!」
「凄いんですか?」
「凄いなんてもんじゃないぞ!! スキル使用中は敵の攻撃を食らっても全部半減するんだ!」
「いまいち凄さが判りません」
「10000越えのダメージが5000ちょいのダメージに抑えられる!!」
「酷いチートのような気がするのですが……」
「という訳で、【ハニカミノエル】を手に入れるべく俺もリセマラに入る!!」
「リセマラ?」
「リセット&マラソンだな、【ハニカミノエル】が出るまで走り続けるぜ!!」
「というか、クラディールさん【ハニカミノエル】持ってなかったんですか?」
「前回の復刻ではギリギリまでリセマラ頑張ったんだが一週間は短かった」
「何回リセマラしたんです?」
「一回のリセマラが約20分前後だからな、睡眠時間も削れるだけ削ってほぼ七日間ぶっ続けでやったが出なかった」
「今回は当たると良いですね――――――――あ、クラディールさん!!」
「どうした!?」
「凄いです!! 初回ガチャで☆4が4枚も当たりました!! 【蒼の追随】【獅子奮迅】【晴朗ランサー】
最後は【ハニカミノエル】ですよ!!」
………
……
…
「シリカ、シリカ。いい加減起きろ」
「――――――え? あれ?」
「此処はALOで、お前は雑談中に眠りこけたんだよ。ちゃんと睡眠取ってるか?」
「……初回ガチャは? ☆4が4枚も当たって【蒼の追随】【獅子奮迅】【晴朗ランサー】
最後は【ハニカミノエル】が――――――――」
「…………シリカ、初回ガチャに含まれる☆4は【蒼の追随】【獅子奮迅】だけで、残りの二つは初回ガチャに入ってないぞ?」
「――――夢落ち?」
「だろうな、【晴朗ランサー】は通常ガチャで単発か11連で引かないと出ないし、【ハニカミノエル】はまだ復刻されてない」
「……嘘……」
「それよりシリカ、今回のガチャ引かないのか? 寝る前にID登録してたろ?」
「あ、引きます――――――出ました……☆4が二枚……【蒼の追随】【獅子奮迅】です!!」
「おお、おめでとう。やっとスタート地点だな!」
「やった!! やりましたよ!! ついに大当たりです!!
もう我慢しなくて良いんですよね? クラディールさんパーティーに入れてください!!」
「待て、まだチュートリアルは終わってない。情報屋に別れを告げて武具店で防具の上だけ購入しろ」
「防具の上だけですか?」
「一つ買うだけでクエストクリアになるからな、もう一度話しかけると強い武具が増えてるぞ」
「防具の購入数が1までしか入らないのはどうしてでしょうか?」
「武具店の装備には生産ボーナスが付かないんだが、此処で厳選できると勘違いしたプレイヤーが所持金全部使うのを防止する為じゃないか?」
「あ、生産ボーナスは付きませんね」
「購入が終わったら、もう一度武具店に話しかけて、今度は【蒼の追随】用の槍と【獅子奮迅】用の斧を買うんだ」
「わあ、色々増えてますね。レベル15の武器も並んでますよ」
「生産ボーナスが付かないから弱いけどな、武器の購入が終わったらメニューからステータスを開けて装備だ。
SET1の片手剣を両手斧に変更。Skill1を【獅子奮迅】に変更。Skill1はスイッチゲージが溜まると選択されるソードスキルだから、
戦闘中に多く使いたいソードスキルをセットするんだ」
「【獅子奮迅】はボス戦で役に立つんですよね?」
「ああ、【蒼の追随】さえあれば四層ボスまで余裕で溶かせるから出番が無いけどな」
「……今斧を買う必要がありましたか?」
「どんなスキルか見とくのも悪くないと思うぞ? 続いてSkill2だな、此処は【ミスマッチファイア】がお勧めだな」
「【ミスマッチファイア】ってこれですね」
「こいつは敵に当たれば10秒間攻撃力が強化される。
【獅子奮迅】が無い奴や【獅子奮迅】を使うとボスの反撃ダメージが酷い場合には、Skill1にセットして殴るとかなり強い」
「そんなに強いんですか?」
「ああ、通称斧キャンセルと言われるプレイヤースキルなんだが、
攻撃をしながら一歩先へ歩くと言う、天翔龍閃 (あまかけるりゅうのひらめき)の様な攻撃方法だ」
「……どうやるんですか?」
「やり方は簡単だ、斧の通常攻撃は三段階ある。一撃目、二撃目、タメを入れた三撃目。これが基本だ。
斧キャンセルはスティック移動を入れ続ける事で、一撃目→一歩歩く→一撃目という高速攻撃が可能になる」
「つまり、二撃目を歩く事でキャンセルして一撃目に戻してるわけですか?」
「そう。一撃目を入れた後に連打してると二撃目が発動するからな、
一歩と言ったが、1ドットでも動いたら二撃目はキャンセルされているので即座に通常攻撃を入れられる。
後はタイミングを計ってどこまで二撃目を出さずに高速化できるか感覚を掴むだけだな。
更に【ミスマッチファイア】の攻撃強化が加われば大抵の敵は死ぬ」
「でも、攻撃対象は一体のみなんですよね?」
「斧だしな、【蒼の追随】が当たってなければ、この攻撃方法がメインになってたぞ?」
「凄く大変そうなのですが……」
「実際大変だぞ、でも通常攻撃の三段階で攻撃するよりも敵をサクサク刻めるから楽ではある」
「Skill3はどうしますか?」
「【バリトンアタッカー】で良いだろ、☆3以下で全体攻撃を可能にした有能なスキルだ」
「強いんですか?」
「ほぼ単体攻撃しか出来ない斧で全体攻撃が可能になるんだぞ! 攻撃力が抑えられまくってるに決まってんだろ!!」
「弱いんですか……」
「使う時は事前に【ミスマッチファイア】必須だな」
「Skill4は【大らかなる戦士】しか残ってませんね」
「次は防具にアビリティーを刺すぞ」
「【曲者の逡巡】しか残ってません」
「斧は打撃属性だから【曲者の逡巡】の打撃属性の弱点強化はちょうど良い。セットしたらSET2へ行くぞ」
「槍のソードスキルですね、初期装備の槍を店売りの槍に変えて、Skill1は【蒼の追随】で良いんですよね?」
「おう。スイッチゲージタメまくって撃ちまくれ!」
「はい。Skill2はどうします?」
「【健気なエール】で良いと思うぞ、敵の防御力低下させるしな」
「後は【フレンドリースピア】しか残ってませんね」
「【フレンドリースピア】も超優秀だな、攻撃力は低いが、攻撃射程の長さと硬直時間の短さはボス戦で最高の武器になる」
「ボス戦では【蒼の追随】をSkill1から外して【フレンドリースピア】をセットした方が良いですか?」
「第五層のボスは、そうした方が良いかもな。さて、長くなったがパーティー組んで冒険を始めようか」
「はい」
こうして、長い物語が幕を開けようとしていた。
ページ上へ戻る