空に星が輝く様に
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408部分:第三十一話 夜の港でその三
第三十一話 夜の港でその三
「それにいつも元気で面倒見がよくて。そんな有り難いお姉ですから」
「だから大切なのね」
「それでなの」
「星華ちゃんが」
「私も考えてました。今のお姉は何とかしたいって」
このことも話すのだった。
「ですからここは」
「私達もそう思ってるけれど」
「それでだけれど」
「どうしようかしら」
三人の言葉はだ。まだ戸惑いの中にあった。
しかしその中でだ。三人は何かを見つけようとしていた。それは言葉にもなっていた。
「それでもよね」
「ええ」
「星華ちゃんの為に」
こう三人で言い合うのだった。
「ここは何とかしないとね」
「それじゃあだけれど」
「ここは」
そして星子に顔を向けてだった。そして。
「ねえ」
「よかったらだけれど」
「いい?」
切実な顔になっていた。三人共だ。
「私達に協力して」
「星華ちゃんのこと」
「御願いだから」
「はい」
そして星子もだった。三人の言葉に真剣な顔で頷くのだった。
「それじゃあ御願いします」
「有り難う。それじゃあ」
「今からね」
「星華ちゃんの為にね」
こう話してだった。四人共自然にだった。
そっと手を出し合いだった。それをそれぞれ重ね合わせた。
そのうえでだ。また四人で話すのだった。
「じゃあ私達はこれから」
「何があってもね」
「星華ちゃんを今の状況から」
「引き出しましょう」
三人に続いて星子が言ってだった。そのうえでだった。まず星子が言ってきた。
「まずはですね」
「ええ、まずはね」
「どうしようかしら」
「お姉のところに行きましょう」
こう三人に提案するのだった。
「それでいいですか?」
「貴女のお家っていうと」
「つまりは星華ちゃんのお家よね」
「そうよね」
「はい、そうです」
その通りだと答える星子だった。
「お姉はそこにいますから」
「いきなり行っていいのかしら」
「急にするのってやっぱり」
「やばくない」
三人は星子のその提案に戸惑いを覚えていた。そうして言うのだった。
「何が起こるかわからないし」
「変なことになったらどうしよう」
「星華ちゃん、あれで繊細だし」
「はい、お姉はですね」
ずっと一緒にいる妹だからこそだ。今言う星子だった。
「確かに威勢はいいけれど気が小さくて引っ込み思案なんです」
「だから斉宮にもね」
「ああして何も言えなくて」
「それでもどうにかしたいかああいうことになって」
そのことをだ。三人も話した。
「私達もそれに気付いていてもね」
「星華ちゃんをかえって煽ることになって」
「それで」
「それですけれど」
星子は今は三人の自責について何も言わずに述べた。彼女の気遣い故にだ。
「気が弱いんですよ」
「だからよ。今すぐ行くのって」
「やっぱりまずいわよ」
「そう思うけれど」
「いえ、それでもです」
しかしだった。星子はまた言うのだった。
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