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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその十九

「だからね」
「ひのきしんもですか」
「頑張ってね」
「それは絶対に避けられないですね」
「おみちだとね」
「じゃあ人にさせて自分は何もしない人は」
「そうした人はおみちにいても」
 いることはいます、見ていて何この人と思ったことがありました。当然この人を嫌いな人もいました。
「あまりね」
「よくないですか」
「私はあまりね」
「好きじゃないんですね」
「まあお付き合いはしたくないわね」
 本当にこう思います。
「見ていて不愉快だし」
「先輩がそう言うの珍しいですね」
「そう?」
「人の好き嫌いない人だって思ってましたから」
「あるわよ、私にも」
 当然だとです、私は阿波野君に返しました。
「やっぱり」
「そうですか」
「誰でもじゃないから」
「博愛主義だと思ってました、僕は」
「だからそれは違うから」
 自分でもよくわかっているつもりです、このことは。それで阿波野君に対しても言うのでした。
「結構好き嫌い激しいわよ」
「そんなこと言って僕ともよくお付き合いしてくれて」
「仕方なくよ」
 本当にこの子についてはそうです。
「大体いつも一緒にいるじゃない」
「お引き寄せで」
「それでよ、まあ嫌いだったら」
 私の場合はです。
「もうお話しないから」
「そうするんですか」
「嫌いな相手にはね」
「僕もそうですけれど、ただ」
「ただ?」
「そのことは絶対先輩よりきついですね」
「人の好き嫌いがなの?」
「はい、かなり」
 そうだというのです。 
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