オズのガラスの猫
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第八幕その三
「そもそもね」
「そうそう、だからよね」
つぎはぎ娘も言ってきました。
「河豚にしたのよね」
「ええ、美味しくて食べやすい」
「そうしたお魚がいいと思ってね」
「河豚にしたけれど」
「いきなり何を出したのかしらね、猫の国の人達」
「そのことはまだ私も知らないけれど」
「鏡で見なかったの?」
「そこまではなの」
「成程ね、まあどうせね」
こう言ったつぎはぎ娘でした。
「とんでもなく癖の強いお魚出したのよ」
「そうしたお料理を」
「きっとそうよ」
「物凄い匂いがきついとか」
ガラスの猫がこう言ってきました。
「そんなのかしらね」
「匂いね」
「そう、どんなのか知らないけれど」
「ひょっとして」
ここでナターシャが言うことはといいますと。
「あれを出したのかしら」
「あれっていうと?」
「シュールストレミングかしら」
「何、それ」
「スウェーデンの缶詰なの、お魚の」
ナターシャはガラスの猫にお話しました。
「中で発酵させたね」
「そんなのがあるの」
「これが物凄く臭いっていうのよ」
「臭いの」
「もうとんでもなくね」
「ひょっとしてそれかな」
ジョージも言いました。
「アメリカにはスウェーデン系の人もいるし」
「だったらスウェーデンの食べものもあるわね」
恵梨香も言います。
「スウェーデン系の人がいるなら」
「あの缶詰のことは僕も聞いてるけれど」
流石は五人の知恵袋の神宝です。
「凄いっていうね」
「それを出してかな」
カルロスも言いました。
「犬の人達怒っちゃったのかな」
「そうみたいね」
ここでオズマは王宮にいるドロシーに連絡をして事情を確認してもらってから返事をしてもらいました、すると実際にでした。
「何でもスウェーデン系の猫の国の人もいて」
「それでなんですか」
「ええ、その缶詰を出してね」
シュールストレミング、それをというのです。
「犬の国の人達びっくりしてね」
「その結果」
「仲が悪くなったそうよ」
「そうでしたか」
「私もあの缶詰のことは聞いたことがあるけれど」
「私も聞いただけですが」
「物凄いものらしいわね」
こうナターシャに言うのでした。
「本当に爆発物みたいな」
「匂いも凄くて」
「そうよね」
「あんなのを出したら」
それこそというのです。
「大騒ぎにもなります」
「そうよね」
「むしろならない方がおかしいです」
それこそというのです。
「本当に」
「理由はわかったわ、猫の国の人達もね」
「いきなりそんなのを出したら」
「騒動になるのも当然だわ」
「そうですよね」
「謎は解けたわね」
つぎはぎ娘が踊りながら言ってきました。
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