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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十一話 秋田小町その十六

「それ位人がいるから」
「どっちも漁港で」
「それ位の人達がいるから」
「寒いのに」
「どっちも漁港として栄えてるから」
 北海道の海の幸は函館だけじゃない、小樽もそちらの産業でも栄えているし稚内や根室もそうなのだ。
「それでなの」
「市なのね」
「そう、それに寒くてもね」 
 それでもとだ、香織さんは詩織さんに話した。
「海の幸が豊富で」
「お魚に蟹ね」
「そういうのが一杯あるから」
「食べものも美味しくて」
「結構人が多いのよ」
「そうなのね」
「寒くても人が多くいるだけの事情があるのよ」
 稚内や根室の様な街はというのだ。
「そういうことよ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「冬はその海の幸でね」
「お鍋ね」
「これがまた最高なのよ」
 香織さんは詩織さんに笑ってそうした街でのお鍋の話をした。
「これがね」
「そうなのね」
「石狩鍋とかね」
「ああ、北海道名物の」
「これがまたいいのよ、蟹鍋とかもね」
「聞いていて涎出そうよ」
「実際に涎出る位美味しいから」 
 こう詩織さんに話した。
「食べに行く価値はあるわよ」
「寒くても」
「そう、本当にね」
「むしろ寒い方がなのね」
「美味しいのよ」
 その鍋がというのだ。
「だからね」
「北海道のそうしたところに冬に行っても」
「楽しめるから」
「寒い中で熱いものを食べる」
「この贅沢を満喫出来るわよ」
「そう思えば冬の北海道も悪くないのね」
「だからよかったらね」
 冬の北海道にもとだ、香織さんは詩織さんに話した。
「来てね」
「じゃあ私も言うわね」
「冬の秋田になの」
「なまはげを見て」 
 やっぱりこれは忘れていなかった。
「そしてきりたんぽも食べてね」
「それじゃあね」
「そうさせてもらうわね」
 二人で笑顔で話した、そしてだった。
 二人は明るく話してだ、その上で午後を過ごしていた。その中で僕は眠気もすっかり覚ませていた。


第百六十一話   完


                2017・10・25 
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