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空に星が輝く様に

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378部分:第二十八話 見られたものその九


第二十八話 見られたものその九

「じゃあそうさせてもらうな」
「うん。それで」
「それで?」
「三人も来た」
 椎名が言うとだった。その赤瀬達も来たのだった。
 すぐにだ。狭山が椎名に尋ねる。
「おい、それでよ」
「何で呼んだかね」
「ああ、何でだよ」
 具体的にその理由を尋ねるのだった。どうして自分達を呼んだのかだ。
「俺達が必要なのかよ」
「必要だから呼んだ」
 まずは素っ気無くいつも通り答えるのだった。
「けれど」
「けれど?何だよ」
「いつもとやってもらうことは違うから」
 それはだというのである。
「それは」
「違うってどういう具合にだよ」
「見張ってて」
 こうその狭山に対して話す。
「ここで」
「ここでかよ」
「そう、津島も」
 彼女もだというのだ。
「そうしてて。赤瀬は反対側」
「向こう側だね」
「回り込んでね。向こう側に」
「体育館裏は通らないんだね」
「うん」
 それはしないで欲しいというのだった。
「そうして」
「それじゃあ今すぐに向こうにね」
「それで誰も通さない」
 椎名は注文を加えることも忘れなかった。それもだった。
「そっちもね」
「何か色々と注文があるのね」
「見張ってくれて誰も通さないだけ」
 ふとぼやいた津島への返答だった。
「それで御願い」
「そう言われると簡単ね」
「だよな」
 津島と狭山は今の椎名の言葉に顔を見合わせて話した。
「よく考えたらこんな場所誰も滅多に来ないし」
「実質的にはいるだけよな」
「それだけでいいってね」
「楽っていったら楽だな」
「けれどいて欲しい」
 それでもだというのである。
「御願いだから」
「わかったわ」
「それじゃあな」
 二人は椎名のその言葉に頷いてそこで見張りをすることになった。赤瀬は赤瀬で向こう側に移った。そしてそのうえでだった。
 一人残った陽太郎に対して告げた。
「それで斉宮は」
「俺はどうしたらいいんだ?それで」
「私と一緒に来て」
「一緒にか」
「こっそりと」
 彼に対しても言い加える。
「そうしてね」
「こっそりとだな」
「そう、こっそりと」
 陽太郎に応えてまたこう言ってみせた。
「来て。今からね」
「中に誰かいるのかよ」
「いるからこう言う」
「それでか」
「そう、それで」
 それが理由だというのだ。それでだ。
 陽太郎にだ。また告げた。
「それじゃあ今からね」
「中に入るんだな」
「そう、体育館裏の中に」
 まさにそこにだというのである。
 
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