レーヴァティン
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第六十四話 あやかしその八
「いよいよ」
「ああ、行こうな」
「わかった、ではな」
「刺身も食ってな」
船乗りはこの話は笑ってした。
「酒も飲んでな」
「酒もあるのか」
「船には酒だろ」
有無を言わせぬ口調での言葉だった。
「そうだろ」
「そこでそう言うか」
「ああ、船に乗ったらな」
「飲むべきか」
「それで港に入ってもだよ」
その時もというのだ。
「飲むべきなんだよ」
「何処でも飲むか」
「家に帰ってもな」
「つまり船乗りは何処でも飲むか」
「そういうものなんだよ」
「そういうものか」
「ああ、だからな」
「船の中でもか」
「飲もうな」
ここでも有無を言わせぬ口調で言う船乗りだった。
「そうしような」
「刺身を捌いてか」
「ああ」
これは言うまでもない言葉だった。
「それでだよ」
「そうだな、ではな」
「飲みながらな」
「志摩に向かうか」
「そうしような」
こうした話をしてだった、船乗りは船を動かすことは雇っている者達に一時任せて自分は今は英雄達の相手をした。
それで酒を飲みその刺身を食べつつ言うのだった。
「あんた達も大変だな」
「この島を救う為に戦っていることがか」
「ああ、それで海の魔神ともだよな」
「島を統一すればな」
その時にというのだ。
「戦う」
「魔神とか」
「そうするつもりだ」
英雄は酒を飲みつつ船乗りに話した。
「やがてな」
「魔神は相当強いぜ」
まさにとだ、船乗りは英雄に返した。
「恐ろしいまでにな」
「何かそれを示す話はあるのか」
「あるも何もな」
「世界を海で覆っているからか」
「それでわかるだろ」
まさにとだ、船乗りは英雄にまた言った。
「神様っていっても色々でな」
「その神の中でもか」
「そんなこと出来る神様なんてな」
それこそというのだ。
「どれだけ強いんだよ」
「だから言うんだな」
「ああ、あんた達にな」
船乗りも飲んでいる、その赤らんだ顔で英雄に話していた。
「言うぜ、もうな」
「魔神はか」
「とんでもなく強いぜ」
「それでか」
「ああ、その強さはな」
それこそというのだ。
「相当だぜ」
「だからか俺達にも言うか」
「気をつけなよ」
刺身も食う、新鮮で見事な味だ。
「あんたが十二人の人を全員集めて島を統一してな」
「軍勢を手に入れてもだな」
「それで西の島と一緒に戦ってもな」
久志達のことも話に入れていた。
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