空に星が輝く様に
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371部分:第二十八話 見られたものその二
第二十八話 見られたものその二
「あのチビの飲み物にだけ。そういうお薬を入れてね」
「あのチビがおトイレに入っている間に西堀を呼び出して」
「そうしてなのね」
「そう、これでどうかしら」
野上はまた他の三人に話した。
「そういうやり方でね」
「そうね。それじゃあ」
「それでいこう」
「それじゃあだけれど」
今度は州脇が言った。
「飲み物はね」
「ええ、それ何か考えあるの?」
「それで」
「ええ、あるわ」
その通りだと答える州脇だった。
「飲み物は私が用意できるわ」
「あっ、あんたのお家ってね」
「お酒屋さんだったよね」
「それでジュースとかすぐに手に入るのね」
「お茶だってそうだし」
「期限近いジュースとか一杯あるのよ」
また話す州脇だった。
「だからそれをね。皆に振舞って」
「それぞれ手渡ししてなのね」
「あのチビにも」
「そうするのね」
「それでどう?」
州脇はここでは笑顔で話す。
「これならいいでしょ」
「ええ、いいわね」
「それじゃあそうしよう」
「いい感じね」
他の三人も具体的に頷く。そしてだった。
今度は橋口である。彼女が言うのだった。
「お薬は私が都合できるから」
「あんたのお姉ちゃんって薬剤師だったわよね」
「じゃあそのお姉ちゃんに頼んだらいいわね」
「下剤とかは」
「そうね。それじゃあね」
「下剤も確保できたと」
「後は」
問題はまだあった。それはだ。
「これをおあいつに飲ませればいいけれえど」
「具体的にはね」
「どうするかだけれど」
「ああ、それだったら」
最後に言うのは野上だった。
「私にいい考えがあるわ」
「いい考えって?」
「具体的にはどうするの?」
州脇と橋口がその野上に問う。
「あのチビに飲ませるのって」
「それは」
「皆にそれぞれ手渡しするのよ」
橋口はまずはこう言うのだった。
「勿論あのチビにもね」
「そうするのね」
「次は」
「そして。あいつが飲む缶のお口のところに」
橋口のその目が光った。そのうえでの言葉だった。
「その下剤を塗っておくのよ」
「あっ、そうしたらね」
「いいわね、それって」
橋口と州脇はすぐにこう応えた。
「他の人が飲むことはないしね」
「あのチビだけ飲むし」
「そうね」
星華も笑顔で応える。
「それであいつがおトイレに行ってる間にね」
「西堀呼び出してね」
「それで斉宮から離れるように言ってね」
「それでね」
こう口々に言って頷く三人だった。そうしてだった。
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