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空に星が輝く様に

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366部分:第二十七話 護るものその九


第二十七話 護るものその九

 椎名に対してさらに言う。しかしであった。
「ちゃんといるから」
「いるって何がよ」
「何がいるっていうのよ」
「それとも誰がっていうの?」
「そう、誰が」
 野上の言葉への返答だった。
「ちゃんと四組の人いるから」
「私いるけれど」
 ここで茶色のショートカットの女の子が出て来た。三人は彼女の顔を見てだ。それでバツの悪い顔になってそれぞれいうのだった。
「あんた、いたの」
「そういえば天文部だったね」
「そうだったわね」
「うん、それでね」
 その娘は何も知らないまま話すのだった。無論気付いてもいない。
「椎名さんがここがいいっていうから」
「ここでって」
「ミーティングの場所?」
「ここでって言ったの」
「そうなの」
 それでだというのである。彼女はだ。
「それでここに皆で来て」
「ミーティングするの」
「そういうことなのね」
「そう。駄目かな」
 彼女はまた三人に尋ねる。何も知らない顔のままでだ。
「それは」
「いいわよ、それだったら」
「私達もそろそろ部活に行かないといけないし」
「だからね」
「うん、それじゃあね」
 ショートヘアの女の子はここでもわかっていなかった。それでそのまま椎名に対しても明るい顔でこう言うのであった。
「じゃあ椎名さん」
「うん」
「これから毎日放課後のミーティングはここで、なのね」
「そう」
 こう言うのだった。尚あえて三人に聞こえるように言っている。
「今先輩達は部室の整理に忙しいから」
「わかったわ。けれど」
「けれど?」
「今部室そんなに散らかってないのに」
 その娘は視線を少し上にやって述べた。
「それでもなのね」
「椎名さんそれでも部長に言ってね」
「それでだったわよね」
 ここで他の天文部の娘も話す。
「ううん、お掃除とか整理は徹底的にってこと?」
「つまりは」
「そういうことよね」
「そう」
 その通りだと言う椎名だった。
「それでなの」
「それじゃあね」
「今からミーティングね」
「はじめよう」
 こう話してだった。椎名はここでも三人の邪魔をした。それはさりげなくではある。だが確かに月美を害させないものだった。
 それは玄関でも同じだった。
 三人は月美の下駄箱に向かう。その手にはやはりマジックがある。そして他にはハンマーもだ。そうしたものにを手にしてだった。
 邪な笑顔でだ。三人で話すのだった。
「それじゃあね」
「ええ、今からね」
「下駄箱だけはね」
 月美の下駄箱を見ながらの言葉だった。
「滅茶苦茶にしてやって」
「靴も隠してね」
「そうしてやろうね」
「それで」
 野上がここで二人に言った。
「あいつ参らせて学校に来なくしてやって」
「星華ちゃんにね。斉宮をね」
「ゲットさせてやらないとね」
 その一念だった。それで今月美に嫌がらせをしようというのであった。
 今まさにその下駄箱に落書きをしようとする。だがここでまた、だった。
「んっ、ここか?」
「ここなの?」
 狭山と津島がだ。急に出て来たのだ。
 三人は彼等のことを殆ど知らない。しかし人が来ればだ。
 おかしなことはできない。それで慌ててハンマーやらマジックやらを引っ込めた。そのうえで何食わぬ顔で月美の下駄箱から離れた。
 
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