妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
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楽園の塔編
第23話 新たなチームの結成
前書き
FGOと仕事で投稿できねぇ…次の投稿は未定です。一応早くできたらまた投稿します(白目)
幽鬼の支配者との抗争から1週間が経った。
抗争の後から妖精の尻尾は評議員に囲まれ、事情聴取を行われた。
当然、裁判沙汰になった。
その結果をまとめると
幽鬼の支配者の解散。
次にマスタージョゼの聖十の称号剥奪。
そして、一番思い切った判決は
『妖精の尻尾の無罪』
元々幽鬼の支配者から先に仕掛けられ、妖精の尻尾はそれに正当防衛という形で無罪になった。
妖精の尻尾は建物が壊され、それでも彼らは沈黙を選んだ。
だが、何もしてこない妖精に幽鬼は更に手を出す。
それは妖精の尻尾のメンバーを負傷。
流石に仲間を傷つけられたら彼らも黙ることはなく、そのまま抗争になったという経緯だ。
故に、”正当防衛”
先に手を出したのが幽鬼の支配者であり、あくまでも妖精の尻尾はやむをえずに抗争を始めた。
だが、それでもなんらか罰を与えるべきでもあるのだが、それは魔法評議員の六ノ席、ヤジマ氏の弁護もあっての成果でもある。
だが、一点だけマカロフが目を見開く出来事が起きた。
それは、レッドの処遇をどうするかだ。
聖十であるジョゼを打倒したその実力は、評議員にとっては是非とも欲しいと言える実力であり、それを見込んで指名クエスト等を頼んだりした。
レッドはそれに応えたりしたこともあり、失敗したクエストより成功したクエストの数が一番多い。
故に、このまま聖十を与えるべきか、と話になったので本人に聞いてみたのだが…。
『まだ自分に納得してない』
ということで呆気なく拒否して終了となったのであった。
「みんなー!!今日から仕事の受注を再開するわよー!仮設の受付カウンターだけどガンガン仕事やろーね!!」
「うおぉおおぉっ!!」
「仕事だ仕事ーー!!」
場所は妖精の尻尾。
未だ建物を建て直している最中だが、フィオーレで名のあるギルドであるからか、依頼は止まず。
すぐに仕事を再開された。
本来なら「うげぇ…」となるようなパターンだが、どういうわけか彼らは張り切って仕事を行く者たちが多い。
普段から酒を飲んでダラダラとしただらけきった彼らの姿とは思えない光景だ。
そんな光景を見て、茜色のサイヤ人――レッドはラクサスと一緒にその光景を見ながら食事をしていた。
「あいつらどうしたんだ?」
「金がなくなってきたから早く仕事して稼ぎたいだけだろ」
手に持っていたからあげ棒の唐揚げを飲み込み、棒だけが虚しく残ったまま彼は仲間たちを見て疑問の一言をこぼすと相席しているラクサスが説明を簡潔に終えた。
あながち間違っては居ない理由でもあるのだが。
「ラクサスもまた強くなってきたなぁ…お前が早く来てジョゼと闘り合えば案外倒せたんじゃねえか?」
「距離があったんだよ、少なくともお前よりはな」
「そっか」
等、なんでもないように話す内容だが、ある意味規格外同士の内容である。
まず聖十でありながら一つのギルドでマスターをしているジョゼに対して勝てると言う二人に聞いてた周りの席の者たちは鳥肌が立った。
「――レッドさん、…それにラクサスもいたか」
「おっ、エルザ。お疲れさん」
「…なんだ?」
レッドとラクサスの元に緋髪の女性、エルザが寄ってきており、何事もないように二人の席に座る。
机に木材の机の上にイチゴケーキを置き、さりげなくレッドの隣に座る。
「偶々見かけたからきただけだ。レッドさん、邪魔だったか?」
「いや、邪魔じゃないから大丈夫だぞ」
「そうか」
「……偶々ねェ…」
相席の許可をレッドからもらうエルザは満足そうに頷き、ケーキの食事を始めた。
ラクサスはエルザの「偶々」という言葉に口に再度に呟いた。
―――チラ見してたっつのによく言うぜ。
「こうして一緒に食事するのは久しぶりだな」
「ん、そうだなぁ…1年ぶりか」
「それぐらいだろうな…レッドさんは一体どこに行ってたんだ?」
「あー…それはちょっと口にできなくて」
「…そうか。色々話を聞きたかったのだがな…」
「すまん…あ、けど帰りのことなら話せるぞ?」
ケーキを半分まで食べ終え、紅茶を飲んだエルザはレッドに話を振りかける。
それは1年間何をしていたのか、どんなことをしていたのか。
だが、レッド本人はそれを口にできない。
自身が共にしているミストガンの正体とか、エドラスのことを。
話せないが、こっちの世界に帰ってきたときのことを話せる。
「レッドが寄り道した理由か?」
「なんで寄り道したってことになんだよ、合ってるけど」
「合ってるのか…」
ラクサスの指摘に眉を顰めながらレッドは肯定した。
そう、彼は帰ってきていた。
当然、レッド一人で帰れるわけじゃなく、ミストガンの手もあって帰ってこれたのだが…なら、何故二人で帰ってこなかったのか?
「珍しい魔道士に会ってな、そいつ重力の魔法を使うんだよ」
「ほう…確かに珍しい」
「しかも剣…というより刀の使い方がうまくてさ」
「重力を操る剣士、か?」
「そんな感じだな」
帰ってくる途中に出会った魔道士はレッドが好む重力を魔法として使う者。
それはつまり良き修行仲間にもなり得るものであり、そして剣士として巧さがあるならより一層修行の励みになる。
「…けど、まだオレたちよりも若いからまだまだ技術が足りない感じだったな」
「それはこれから次第…待て、まさかてめえ」
「おっ、分かったのかラクサス」
「修行を付けた…か」
「おう」
まだ未熟、ならば鍛えればそれは相手にとっていい経験にもなり、そしてレッドにとっては好都合のこと。
故に、相手を鍛えることにしたそうだ。
美味しく料理を作り、そして自分がそれを食す。
似ているようなのだが、レッド自身はそういうわけじゃない。
”只重力を操って、そのうえ刀で攻撃してくるのなら修行相手としてはいい”
「それにアイツ、才能もあるのか覚え込みが早くて早くて…いや、オレは剣とか使えないから実戦相手にしかならなかったけど」
「おい」
「剣を使う…ふむ、なら私が鍛え上げてみたほうが効率良さそうだな」
剣を使うことが多いエルザ。
換装魔法を使いあらゆる武器を熟すエルザは経験もあり、何より剣を好む。
故に剣術を教えるのならエルザのほうが適応なのは当然。
「オレもそう思ってよ、アイツを連れてこようと思ったけど…断れてな」
「なんだ、やはりレッドさんの修行には付いてこれなかったのか」
「そういう訳じゃない、アイツはむしろ積極的にやってくれたんだよ」
最初、レッド自身も断れると思いながら相手に提案したみたいだが、見事に賛成されてしまいそのまま修行を付けたとのこと。
「じゃ何故付いてこなかったんだ?」
「…アイツ、人探ししているみたいでよ…オレは帰りながらそれに手伝ってたんだ」
「人探し?」
「ああ、だから一つの場所に留まるよりも1日別の場所に行って修行をつけていたんだ」
「…ああ、つまりそいつはこのギルドに長く居るよりも1日でも早くその別のやつを探すことを選んだってわけか」
「まぁそういうこと…だからこの前別れてきたんだよ。抗争してるってのはミストガンに教えてもらってから飛んできたってところだな」
「そうか…ん?ミストガン?」
レッドの口から出たある魔道士の名前を聞き、エルザは疑問を持つ。
何故、自分がまだ顔を合わせていないもう一人のS級をレッドからその名前が出たのか。
「…あれ、今ミストガンとペアを組んでること言ってなかったか?」
「聞いてないんだが!?」
「…オレは知ってるぜ」
新事実を知ったエルザに対してラクサスはニヤァという言葉が音に出るほどの勝ち誇ったような笑みを顔に出す。
そのラクサスの表情を見てエルザはイラッとするもののそれを置いといて今重要とされる話をレッドから聞き出す。
「レッドさん…ミストガンと組んでいたのか!?何時だ!!?」
「…1年前?だな」
「ミストガン!?」
「おい、レッドのヤツ…ミストガンとチームを組んでいたのか!?
「え!?ミストガンってあの謎の…」
「…ん?」
いつの間にか他の者達が聞き耳を立てていたのか、彼らがまだ知らない謎が多いと噂のS級魔道士、ミストガンの名前を口から出していた。
驚愕が大きいのか、話をしていたレッドも周りに気づいたが。
普段なら気づく筈なのだが、食事と会話で気を抜けていたのか周りの状況に気づかなかったみたいだ。
「S級の二人がチームね…エルザ達に続いての最強チーム結成ね」
カウンターに居るミラの呟きに近くに居たルーシィはザワザワ、とした。
それと同じく、他の者達もだが。
「エルザもチームを?」
「…ナツとグレイにルーシィ、それにハッピーと共に一回仕事に行ってな、それで一時期チームを結成していた」
レッドが帰ってくる前、ララバイの事件でエルザはナツとグレイに協力を申し出て、更に監視役としてルーシィとハッピーも含まれた。ミラに言われて。
だが、それは最強と言っても過言ではないだろう。
フィオーレで名を広がり、周りを破壊することが多くも実力の高い火の滅竜魔道士、ナツ・ドラグニル。ナツの相棒で空中では負け無しの猫魔道士(?)、ハッピー。
そのナツに劣らず、互角の実力を持ってる氷の造形魔道士、グレイ・フルバスター。
そして、星霊に協力を求め、今まだ発展中とはいえ、アクエリアスや強力な星霊を友にしている星霊魔道士、ルーシィ・ハートフィリア。
その3人よりも強く、そしてS級魔道士として不足はない妖精女王、エルザ・スカーレット。
この4人に1匹による、妖精の尻尾として最強チームなのは間違いないだろう。
「…そんなことがあったのか」
エルザから聞かされた話を聞いて納得したのか、レッドは感心したような声でそう呟く。
「…そうだ、ナツ、グレイ。そしてハッピーにルーシィ。提案があるんだ」
「「「「え?」」」」
「本当ならレッドさんも誘おうと思ったが…できないのなら仕方ない」
突然自分たちに声をかけてきたエルザに呼ばれた3人の1匹は疑問の声を上げる。
特にエルザが見てない隙からどうレッドに勝負をぶっかけようとしたナツはピクッとなってしまったが。
「鉄の森の件から常に一緒にいる気がするしな――この際チームを組まないか?私たち4人」
この一言は、今から誕生するチーム達が共に冒険する決定的な一言。
後からはこのフィオーレ大陸で名が広がり、そして最も飽きない冒険するであろうチームの一つ。
このチームたちが繰り広げる冒険は、心が躍る冒険が待っている。
ギルドの仲間たちにそのチームの誕生に歓声を上げ、盛り上げる者もいれば―――
「――はっは、ワクワクが耐えないチームになりそうだな、アレは」
そのチームのこれからの活躍に胸が踊る者達も、多く居る。
◆◆◆◆◆◆
「――引退…か」
夜、まだ立て直している妖精の尻尾の上に胡座をかいて酒を飲む小柄の老人、マカロフは吐きのない言葉を口にする。
今日、友である魔法評議員六ノ席、ヤジマから引退することを勧められ、それにマカロフは悩む。
未練はある。まだこの先このギルドたちはやっていけるか心配でもあるし、何より長年居たこのギルドから離れるのは心苦しいものでもあるからだ。
それに新しいマスターを務める者は――否、居る。
「ラクサス…仲間からも信頼もあればその実力も聖十も迫る…何より、流石ワシの孫か、才能もあるか」
最初に思い浮かんだのは自身の孫、ラクサス・ドレアー。
息子であるイワンを追放したことにより仲が悪くなりかけるも、友のおかげで理解してもらったことで今も仲が悪くない。
仲間たちから「兄貴ならラクサス」と言われることがあり、ラクサス自身は知らないが十分な兄貴素質。
「…ギルダーツは無理か…」
次に思い浮かぶのは妖精の尻尾最強の魔道士、ギルダーツ・クライヴ。
今は超難関である100年クエストに出向いていることにより、今ではマスターにすることも難しい。
待つのもいいが、それは自身が倒れるのが先か。
「ミストガン…ディス・コミュニケーションの見本みたいな奴じゃ…」
ミストガン、ギルドでは顔が知られてない魔道士。
一応正体はギルドに入る時に教えてもらったものの、あちらからは「何時かはここから居なくなる」と言われているのもあり、そして他の者とコミュニケーションがないことでアウト。
「…だとするとまだ若いが…エルザ…」
みんなをまとめるその行動力、そしてカリスマ。エルザ・スカーレットはそれを十分にある。
実力はこれから次第に上がることも期待はでき、何よりも真面目。
「…レッドは…いや、無理か」
レッド・パッペ。自分が拾った先祖返りのサイヤ人。
ジョゼを打倒できる力もある、そして自分が書類で苦労しているときにミラと同様時々手を貸してくれることもある。
マスター候補としては悪くないのだが、彼はギルダーツと同じように100年クエストに挑むつもりだ。
聖十の称号も断った彼が、マスターに素直になることはありえない。
「…なら候補はラクサスかエルザに絞るしか…」
「マスター、こんなトコにいたんですかぁ~?」
「ん?」
自分を呼ぶ声、元S級であるミラジェーン。
今は夜だが、こうして残って残りの仕事をやってもらっているようだ。
そして、何か問題でも起きたのか、自分を呼んだとマカロフは気づく。
そして、なんたか胸がザワザワしていることを理解してもそれは気の所為だと願う。
「またやっちゃったみたいです」
「――――は?」
突然ミラから本題のない言葉を言われ、マカロフは困惑…否、現実逃避をしようとする。
もう、理解しているハズのことを。
彼は、このギルドが問題児が多いことを知っているのだ。
「エルザたちが仕事先で街を半壊させちゃったみたい、そしてラクサスは道を迷ってそのまま真っすぐ建物を壊しながら行ってみたいで…」
「ファッッッッ!!?」
この世の終わりのような顔を浮かべるマカロフ。
マスター候補として入れていた二人が問題、しかも街の民たちに迷惑かけたことに真っ白へと燃え尽きた。
エルザはよく問題を起こすことはあれど、ラクサスよ、お前はどうした。
「引退なんかしてられるかぁ――――ッ!!!!」
人生は仕事で苦労するのは当然だが、引退してもいい年であるマカロフの苦労はまだまだ止まらない。
まるで、限界を知らない苦労の歩みを、マカロフはこの10年近くとも言える年月で味わうのだった。
◆◆◆◆◆◆
SIDE:レッド・パッペ
家の郵便に届いた封筒を取って、その中身を読む。
その中身は自分宛ての手紙であり、送り主はこの前に会ったアイツか。
おそらく、この前は中途半端で抜け出したからまたちゃんと修行を受けたい、のだろうか。
強くなろうと真面目にやっているアイツのことだ、まだまだ強くなるためにオレに頼んできたのかもしれない。
一応家のことを教えるという選択肢は間違ってなかったか、と安心する。
手紙の中は世間話とも言える文で、そして本題は今度はどこで、いつ鍛えてくれるかという手紙。
オレに人任せか…等思わないでどうするかを計画を立てる。
今度はエルザでも連れて特訓させるか…なんて思いながらオレは家の中で待ってくれているジェラールのいる食卓へと向かうのだった。
後書き
次はどう楽園の塔へ繋げるかは考えてあるので、それをどう文にするかを考えてきますね(震声)
てか、いつの間にかUAが4万になっていてびっくりしました。…早く文をうまくならなくちゃ、なんて思いながらFGOでスカサハを当てたとさ、まる。
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