夢幻水滸伝
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第五十九話 仕込みの奇襲その十
「それも一興か、まあ最後に仲間にすればいいか」
「日本を統一して世界も統一して」
「その時にな、あいつは棟梁とかにも興味がないしな」
「権力欲とかはないのね」
「自転車で勝ちたい、一番になりたいって意志は凄いんだよ」
「そうなの」
「スプリンターとしてもクライマーとしてもな」
幸田は自転車競技の用語も出した、難波はそのどちらでも秀でているというのだ。
「だからあいつをエースとして前に出してるんだよ」
「部活の時は」
「ああ、けれどな」
「それはあくまで部活でのことで」
「あいつ普段は大人しいんだよ」
部活を離れると、というのだ。
「部活の時はもう独特の雰囲気出しまくってるけれどな」
「それがなの」
「部活を離れるとな」
つまり普段はというのだ。
「大人しいんだよ、こっちの世界でも戦の時は激しいだろ」
「そういえば普段は」
「大人しいだろ」
「物凄い長身だけれど」
「女の子にも奥手だしな」
難波のこのことも話した。
「それもかなりな」
「そうした人なの」
「喧嘩もしないし大人しいんだよ」
「ううん、二面性のある人ってことね」
「そうだな」
実際にと話した幸田だった。
「だから言うこと聞かせるのも大変だぜ」
「ううん、何かロシアにそうした人がいると思うと」
「厄介だな」
「インドとも同盟結んでるっていうか」
「もう連合帝国っていうかな」
幸田はここでこう言った。
「二重帝国か」
「ロシア=インドの」
「そうした国だな」
まさにというのだ。
「最早」
「しかも集まっている星の人達は個性派揃いで」
「結構以上に厄介な相手だな」
「そうね、あの国々は」
「私もそう思う、しかしだ」
ここで日毬も言ってきた。
「そうした敵でも戦う時はだ」
「倒しますか」
「そうする」
まさにというのだ。
「必ずな」
「敵ならですか」
「そうだ」
まさにと言う日毬だった。
「どの様な相手でもな」
「戦いそしてですか」
「倒すのみ、如何に強敵でも人間だな」
「人間ならですか」
「弱点はある」
そこは必ずというのだ。
「その弱点を攻めてそうしてだ」
「勝つんですか」
「そうだ、それだけのことだ」
「そうですか」
「そしてそれはだ」
「今も同じですね」
「そういうことだ、今我々は劣勢だが」
それをというのだ。
「一気に押し返す」
「そうだ、もうそろそろな」
「頃合いを見てな」
「仕掛ける」
まさにとだ、幸田は日毬にも話した。
「必ずな」
「その意気だ、では機を見れば」
「勝ちに行くからな」
確かな笑顔で言う幸田だった、そしてだった。
そうした話をしつつだ、幸田は今は機会を伺っていた。だがそれは関西の軍勢の方もわかっていてであった。
下野を掌握して常陸に向かう時にだ、玲子がこんなことを言った。
「いやあ、順調だね」
「はい、上野に下野にと」
「順調に攻めていますね」
「これはええ流れです」
「そう、いい流れだよ」
自分に応えた兵達にこう返した。
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