夢幻水滸伝
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第五十九話 仕込みの奇襲その七
「食ってるよ」
「ならいいわ、とにかくね」
「野菜や豆腐もか」
「しっかりとよ」
何度も言う麻友だった。
「食べてね」
「それじゃあ勝った時もな」
「お野菜もね」
「食うな」
「はい、果物もいいですよ」
今度は千歳が言ってきた。
「メロンとか」
「メロンか」
「はい、メロンも食べましょう」
小さな身体でにこにことして言うのだった。
「是非」
「果物はいいけれど最初にメロンか」
「蝦夷なので」
「メロンな」
この果物についてだ、幸田は微妙な顔になって述べた。
「栄養はあるにしてもな」
「違いますか」
「甘過ぎてな」
それでというのだ。
「そちらの方が気になるだろ」
「その甘さがいいんですよ」
千歳は幸田がどうかと言うメロンのその甘さについて肯定して話した。
「むしろ」
「御前としてはそうか」
「はい、あのとびきりの甘さが」
まさにというのだ。
「本当にいいんじゃないですか」
「そうしたものか」
「はい、それで食後は何といっても」
「メロンか」
「果物でしたら」
何といってもというのだ。
「いいかと」
「あたしは柑橘類とか苺を考えてたけれど」
麻友はその千歳に述べた。
「あと林檎ね」
「ビタミンが豊富だからですか」
「そう、こうした果物を食べるといいの」
栄養面から考えると、というのだ。
「だから言ったけれど。あと苺は正確に言うとお野菜だから」
「畑で出来るからですね」
「そうよ、メロンは本当に甘過ぎるしね」
糖分が多いというのだ。
「そこが気になるわね」
「それは残念です、メロンは蝦夷の特産になっていますが」
こちらの世界でもだ、蝦夷は他には酪農や漁業も重要な産業になっていて特産品を売り出しているのだ。
「ジャガイモと並ぶ」
「ジャガイモはいいわね」
「食べてもですね」
「もうしっかり食べないと」
麻友はジャガイモも推した。
「何といっても」
「栄養があるからですね」
「何といっても美味しいし」
「美味しいからですか」
「もう毎日食べてもいいわよ」
こうまで言う麻友だった。
「色々なお料理にしてね」
「あの、先輩まさか」
千歳は麻友の今の言葉からあることを察した、そしてそのあることについて麻友自身に対して尋ねた。
「ジャガイモお好きですか」
「ええ、かなりね」
「やっぱりそうですか」
「肉じゃがにしても煮っころがしにしてもいいし」
まずは和食のジャガイモ料理から話した麻友だった。
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