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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第六幕その五

「日本の皇室についての学問はかなりのものだよ」
「複雑で長くて」
「どうしてもね」
「学びにくいよね」
「そう思うよ、僕もね」
 薔薇戦争もそうだけれど、というのです。
「日本の皇室はかなり凄いよ」
「その複雑さも」
「歴史は長いし」
「そういえば南北で分かれた時期もあったね」
「南北朝時代ね」
「鎌倉時代から分かれていて」
「うん、それで内乱にもなったよ」
 この辺りイングランドと似ているとも思いつつお話した先生でした。
「ただ、日本の皇室は薔薇じゃないからね」
「うん、菊だね」
「日本の皇室は菊だね」
「それで国の象徴にもなってるし」
「日本の皇室は菊だね」
「そう、このことはね」
 本当にというのです。
「イングランドと違うよ」
「そうだよね」
「イングランド、そして今のイギリス王家もね」
「お花は薔薇だから」
「そこは違うね」
「うん、しかし薔薇は平和の為のお花であるべきだよ」
 先生はしみじみとした口調になっていました。
「それを旗印に戦争をするのはね」
「やっぱりね」
「悲しいことよね」
「どうしても」
「そんなことがあって欲しくないわね」
「薔薇は観て香りも愛でるもの」
「そして食べて楽しむものでもあるから」
 だからだとです、動物の皆もお話します。
「戦争の旗印になるとね」
「やっぱり悲しいよね」
「どうしても」
「そうなることは」
「そう思うよ、戦争よりもね」
 本当にとです、先生はまた言いました。
「平和の象徴であって欲しいね」
「薔薇はね」
「奇麗なお花であるだけに」
「それだけに」
「そう思うよ、これは薔薇だけでなくね」
 先生が思うにです、先生は平和主義者でもあります。とても温厚な人なので戦争も喧嘩も好きではないです。生まれてから一度も喧嘩をしたことがありません。
「他のお花もだよ」
「平和の象徴であるべきだね」
「どのお花にも好戦的な要素はないけれど」
「そのことに相応しくね」
「お花は平和の象徴であるべきだね」
「何といっても」
「そう思うよ」 
 先生としてはというのです。
「どのお花もね」
「じゃあお花で世界がもっと満たされると」
「ひょっとしてね」
「人類は平和になるかしら」
「今以上に」
 ふとこう思った皆でした。
「今も世界では戦争があるけれど」
「全体的に減っているっていってもね」
 昔に比べるとです、昔の世界はもっと戦争が多かったです。
「それでも少ないに越したことはないし」
「だったらね」
「世界にお花がもっと多いと」
「今以上に平和になるかしら」
「そうかも知れないね。お花を観ているとね」
 どうしてもというのです。
「人は争う気を失うね」
「あっ、確かに」
「お花を観てるとそれだけでね」
「人は争う気をなくしていくわ」
「平和な気持ちになるよ」
「そうだね、だからね」
 それ故にというのです。 
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