オズのガラスの猫
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第六幕その三
「お久しぶりです」
「そうね、お元気そうね」
「はい、今日も楽しく元気に過ごしています」
「そうなのね」
「それで今は」
「実はね」
オズマはリザードマンに自分の今回の旅の目的をお話しました。
「それでなのよ」
「今こちらの来られたのですな」
「そうなの」
「わかりました、楽しい旅になることを祈らせて頂きます」
「有り難う、それでね」
「今からですな」
「橋を渡らせてもらうわね」
そのトランプの橋をというのです。
「そうしていいかしら」
「どうぞ」
リザードマンはオズマに笑顔で答えました。
「お渡り下さい」
「それじゃあね」
「それでなのですが」
リザードマンはオズマとのやり取りの後でナターシャ達五人を見て言いました。
「こちらの子達は噂の」
「ええ、オズの国の名誉市民のね」
「外の世界から来ている子達ですな」
「そうなの」
こうリザードマンに答えるのでした。
「今回の旅はこの子達と一緒なの」
「そうですか、では今から」
「この子達にね」
「挨拶をさせて頂きます」
こう言ってです、リザードマンは。
五人の前に来てです、オズマに対してした様に礼儀正しくお辞儀をしてからナターシャ達に言いました。
「はじめまして、この橋の番をしているミスター=ドラコといいます」
「はじめまして」
五人もお辞儀をしてそれぞれ名乗ってです。
そのうえで、です。リザードマンはガラスの猫達にも挨拶をしましたがナターシャがその挨拶も終えたミスター=ドラコに尋ねました。
「貴方がトランプの橋を建てられたのですね」
「左様、トランプの家もですぞ」
「そうなんですね」
「中の家具もトランプや他のマジックの品から造っていますぞ」
「というと貴女は」
「はい、マジシャンです」
その職業の人だというのです。
「手品師なのです」
「そうなんですね」
「ですから手品で」
こちらでというのです。
「何でも造れるのです」
「凄いですね」
「いえいえ、オズの国ではです」
「そうしたこともですか」
「普通のことではないですか」
こうナターシャに言うのでした。
「むしろ私の手品は手品だけですが」
「あっ、魔法使いさんは」
「あの方は手品だけでなく魔法も使えますので」
文字通りの魔法使いになったのです、この人は。
「あの方には及びません」
「そうなんですね」
「それにわたくしの手品も」
それもというのです。
「魔法使いさんに教えて頂いたものが多いのです」
「そうなんですか」
「わたくしは確かに手品師でして」
それでとです、ミスター=ドラコはナターシャに礼儀正しくお話します。
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