オズのガラスの猫
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第五幕その九
「見ていて和やかでしょ」
「確かにそうですね」
「海のイルカの子達よりも」
「何か静かで」
「落ち着いた感じですね」
「泳ぐのもゆっくりで」
「そうだよ、ゆっくりしていてね」
そしてというのです。
「どちらかというと底の方を泳ぐのよ」
「あたしこの子達大好きなの」
つぎはぎ娘が言いました。
「和やかだから」
「そうよね、この子達はね」
ガラスの猫もカワイルカ達を見ながら言います。
「見ていて和むわね」
「そうよね」
「海のイルカは見ていて楽しくてね」
「川のイルカは和むわね」
「どうにもね」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
水槽の向こうからです、一匹の黄色と白のカワイルカが言ってきました。
「僕達を見ていて和むならね」
「そうなの」
「そう、僕達も穏やかなつもりだし」
「それでなのね」
「その僕達を見ていて和むならね」
それならというのです。
「僕達も嬉しいよ」
「それは何よりね」
「いつも穏やかに暮らしてね」
「平和に暮らして」
「そしてその僕達を見てね」
「和むのなら」
「嬉しいよ、どんどん和んでね」
ガラスの猫に言うのでした。
「そうしてね」
「それじゃあね」
ガラスの猫も応えました。
「そうさせてもらうわ」
「是非ね」
「それじゃあ」
二人でお話します、そしてでした。
皆でカワイルカを見て次に海のイルカ達も見ました、すると今度は見ていて楽しくなりました。そうしてです。
オズマは皆に今度はこう言いました。
「そうそう、忘れてたわ」
「忘れてた?」
「っていいますと」
「まだ見ていない生きものいました?」
「この動物園で」
「そうだったんですか」
「そうなの、触れ合いコーナーがあって」
五人にこのコーナーのお話をするのでした。
「そこに兎や栗鼠、犬や猫や羊達がいるの」
「普通に触ったり出来る生きものがですか」
「いるんですね」
「じゃあその触れ合いコーナーにですか」
「今から行って」
「そこで楽しむんですね」
「そうしましょう」
是非にというのでした。
「これからね」
「わかりました」
ナターシャが五人を代表して答えてでした、そのうえで。
皆はその触れ合いコーナーに行きました、すると黄色い兎や栗鼠、犬や猫それに羊や山羊達がいました。皆はその生きもの達と楽しく遊んだりお喋りをしますが。
ガラスの猫はつんとしてです、お高く止まった仕草で言うのでした。
「皆可愛いけれど奇麗なのはあたしね」
「ここでまたあんたらしい子おt場が出たわね」
「そうでしょ」
「ええ、とてもあんたらしいわ」
つぎはぎ娘はそのガラスの猫に言いました。
「今聞いてそう思ったわ」
「そうでしょ」
「本当にあんたは何処でもあんたね」
「そうよ、あたしはあたしでね」
「それでなのね」
「ここでもそう思うわ」
この気持ちを隠さず言うのでした。
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