苦しみと救い
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第四章
理事長はすぐに動いた、理事長の権限を以て信頼出来る教師達既に彼が無能な教師達を免職させて外部から引き入れた彼等に生徒の悩みを何でも話させて話せない生徒には理事長室の前に悩みを打ち明ける相談箱を置き。
自分も学園の隅から隅まで歩いて情報を収集し自分も相談を受けたり部活や委員会の問題を解決しどうしようもない生徒には厳罰も下した、そうして。
みなみのスクールカーストを壊し学園に新たな秩序穏やかでしかもみなみが裏で操るのではなく理事長が堂々と生徒達と向かい合うものにした。そうしてだった。
みなみにだ、こう言ったのだった。
「文句があるか?」
「こんなことをしても」
「実際学校はずっとよくなったがな」
「すぐに問題が起こります、そして」
「問題ってのは何時でも起こるんだよ」
理事長は今も冷静に返した。
「その都度対処していくものなんだよ」
「芽を事前に摘むべきです」
「そうだよな、しかしそれをしてもな」
「問題は起こるっていうんですか」
「芽を摘み忘れてな」
その結果としてというのだ。
「そうなるんだよ、今の問題は御前だったんだよ」
「まだそう言うんですか」
「これで御前の歪んだスクールカーストはなくなったぞ」
「くっ・・・・・・!」
「まだやるか?受けて立って勝ってやるぞ」
「こんなやり方私は認めません」
「そうだろうな、しかし御前の今の顔はな」
ここでまた彼女の顔を言った。
「相変わらず鬼の顔だな」
「それがどうかしたんですか」
「その顔本当に鏡で見ろ、見られたものじゃないからな」
そこまで醜いものだというのだ。
「あと本当に御前も報いがあること覚悟しとけよ」
「そんなことは絶対にないです」
「その言葉覚えておけよ」
そして実際にその通りになった、みなみはこの後大変なことになり一度何もかもを失う様なことになった、そうして。
そこから両親や妹、彼女の傍にいた友人達に支えられて復活した。そうしてだった。
それから理事長のことを知った、理事長は姉が自殺した時たまたま学園に教育研修としていたのだ。学園の経営者一族としてやがて学園に携わる者として。
そしてそこから学園の理事長になって学園の誤りを正すべく動く様になったことを。そのことを知ってみなみは愕然とした。そしてそこから彼女の黒いものは消えていったという。憎悪に歪んだそれが。
苦しみと救い 完
2018・7・22
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