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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第五幕その四

「皆はそこでそう言うんだね」
「だって事実だからね」
「僕達だって嘘は言わないよ」
「動物は嘘言わないじゃない」
「だから僕達だってね」
「ちゃんと言うんだよ」
「それはわかってるよ」
 皆は嘘を言わないことはです、先生は誰よりもよくわかっています。あらゆる動物のお友達だけあって。
「けれどね」
「違うっていうのね」
「恋愛のことは」
「どうしても」
「そう、僕がもてることは」
 本当にというのです。
「ないから、それでね」
「それで?」
「それでっていうと」
「今度は何かな」
「僕のことは置いておいて」
 そしてというのです。
「カップルの皆はね」
「うん、彼等のことはだね」
「若い人達のことは」
「あの人達のことは」
「幸せを願っているよ」
 優しい笑顔での言葉でした。
「デートもね」
「他の人の幸せを願えるのはいいことだよ」
「先生の美点の一つだよ」
「嫉妬もしないしね」
「全くね」
「けれど欲がないから」
 だからというのです。
「そこは何とかしたらって思うよ」
「無欲も美徳だけれど」
「先生は無欲過ぎるから」
「すぐに今の幸せで満足っていうから」
「どうもね」
「僕達も気が気でないんだよ」
 動物の皆としてはです。
「もっとね」
「あれもこれもってなったら?」
「先生は学問が出来て衣食住が万全なら満足するけれど」
「それでもね」
「もっと上のことを望んだら」
「そうしたら?」
 こう言うのですがそれでもでした。
 先生は無欲なままです、それでティータイムの後も実際にでした。
 植物園の他の場所を巡ってそれからお昼御飯に今日はラーメンと炒飯それに水餃子と野菜炒めを食べまして。
 午後は研究をします、それで言うのです。
「今日も最高だよ」
「学問が出来てるからだね」
「今書いている論文の為の研究を」
「だからだね」
「幸せなんだね」
「うん、これ以上はない位にね」
 本当にというのです。
「僕は満足しているよ」
「そうだよね、先生は」
「それで満足だよね」
「そこまでで」
「そうだよ、生活が出来て学問をどれだけでも出来る」
 それならというのです。
「こんないいことはないよ」
「それでなんだ」
「もう満足してなんだ」
「そのうえでだね」
「幸せに過ごしているから」
「これでいいんだね」
「うん、いいよ」
 本当にと言った先生でした。 
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