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全てはメロンパンの為に

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第一章

               全てはメロンパンの為に
 神戸バンはメロンパンを生きがいとしている、一日一個は絶対にメロンパンを食べている。それで家でも言うのだった。
「朝からメロンパンを食えるってな」
「いいっていうのね」
「姉ちゃんもそう思うよな」
 自分の姉にもこう言うのだった。
「メロンパンが食えるってな、それも朝から」
「私は和食派だから」
 姉は実際に白い御飯を卵焼きと味噌汁そして漬けものと一緒に食べている、そうしつつそのうえで弟に言うのだった。
「そうは思わないわ」
「朝飯にメロンパンはかよ」
「あんた朝は絶対によね」
「ああ、メロンパンないとな」
 そのメロンパンを食べつつさらに言うバンだった。
「俺は朝力が出ないんだよ」
「それで朝に食べて」
「それでさらにな」
「お昼も食べられたらよね」
「夜だってな、そして夢はな」
 メロンパンと一緒に牛乳も飲む、メロンパンは焼く時に普通のパンよりも水分を飛ばしているのでどうしても喉が渇くからだ。
「世界中のメロンパンを食って」
「メロンパンって日本だけでしょ」
「だったら日本中のメロンパンを食ってな」
 訂正しても全く落ち込むことはない、世界から日本に相当に格落ちしても。
「そしてな」
「メロンパン屋さん開いて」
「どんどん焼いてな」
 そしてというのだ。
「美味いメロンパンを売ってな」
「皆を笑顔にするのね」
「こんな美味いものこの世にないからな」
 それ故にというのだ。
「俺はそうして生きるんだよ」
「それいつも言ってるけれど」
「駄目か?」
「駄目とは言わないわよ」
 姉もそうは言わなかった、自分の朝御飯を食べつつそうした。
「けれどね」
「それでもか?」
「あんたのそのメロンパン馬鹿ぶりは」
 それはと言うのだった。
「また凄いわね」
「だから好きだからだよ」
「それでなのね」
「そうだよ、好きだからな」
 それ故にというのだ。
「俺は毎日メロンパンを食ってな」
「そしてなのね」
「メロンパンを売って生きるんだよ」
「もう既に人生設計も出来てるのね」
「メロンパンが人生だよ」
 まさにそれこそがというのだ。
「だから今も食ってな」
「それじゃあ」
「ああ、これ食って学校に行くな」
「それでお昼もなのね」
「メロンパン食うんだよ」
 今食べているそれをだ、こう言ってだった。
 バンは実際にメロンパンと牛乳の朝食を食べてから登校した、既に鞄にはメロンパンを入れてある。勿論昼に食うものだ。 
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