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空に星が輝く様に

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290部分:第二十一話 見てしまったものその七


第二十一話 見てしまったものその七

 階段が終わったところで別れる。その時だった。
「あれ?」
「あれって?」
「どうしたの?」
 橋口達三人は寝る前にトイレに行っていた。そこでだった。
 月美を見たのである。その陽太郎と別れる月美をだ。それを見て橋口が言った。
「ほら、西堀だけれど」
「ええ、そうよね」
「暫く見えないと思っていたら」
 州脇と野上も見た。見れば確かにそこに月美がいた、
「何か話してるわね」
「そうね。その相手は」
「あれ誰?」
「男子じゃないの?」
「そうよね」
 橋口はあらためて二人に話した。
「あれって一体」
「三組のあれよね」
「そうよね、その星華ちゃんの?」
「同じ中学校だった?」
 このことに気付いたのだった。
「ほら、あの斉宮よね」
「斉宮陽太郎」
「あいつよね」
「確かにね」
 こう話してであった。そのうえで三人で頷き合う。そうしてであった。
 あらためて見てだ。三人はまた話すのだった。
「暫く二人で話してたのよね」
「そうよね」
「夜に二人きりでね」
「それってまさか」
「そのまさか?」
「やっぱり」
 ひそひそと話しているうちに顔を曇らせていく。そしてであった。
「付き合ってるのよね」
「間違いないわね」
「そうとしか考えられないよね」
 三人でこの結論に達した。そしてであった。
 苦い顔になってだ。一旦トイレに向かった。そこで密談に入った。
「ねえ、どうする?」
「このことどうする?」
「星華ちゃんに話す?」
「そうする?」
「やっぱりね」
「話さないとね」
「このことってね」
 この結論に至った。何故ならだ。
「星華ちゃん斉宮のこと好きだしね」
「あいつのことね」
「だったらね」
「もうね。そうしないとね」
「じゃあ言おう」
 そしてであった。
「星華ちゃんと斉宮ちゃんくっつけてあげないとね」
「何よ、西堀なんか」
「あんな奴に取られてたまるかっていうのよ」
「全くよ」
 こう話してであった。三人はトイレを後にした。そしてその星華に話そうとした。
 しかしである。その星華はだ。
「寝てるの」
「じゃあ仕方ないわよね」
「そうよね」
 寝ている彼女を見て残念な顔になる三人だった。
「それじゃあ」
「私達も寝る?」
「明日また作業があるし」
 それはまだあるのだった。
「それじゃあね」
「寝よう」
「うん、寝よう」
 こう話してそのうえでそれぞれの寝袋に入るのだった。そうして寝て次の日の朝にだ。星華に対して朝食を食べながら昨日のあのことを話した。
 話を聞いてだ。星華はまだ寝ていた顔を起こしたのだった。
「えっ、嘘・・・・・・」
「嘘じゃないのよ」
「これがね」
 三人は真剣な顔で否定しようとする彼女に返した。
 
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