レーヴァティン
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第六十二話 伊勢の巫女その五
「まっことのう」
「そういうことですな」
「そうぜよ、では今から」
「伊勢うどんをですね」
「食うぜよ」
笑顔で言ってだ、一同でいただきますをしてからだった、当季はその伊勢うどんを勢いよく食べはじめた。
そしてだ、満面の笑顔で言った。
「まっこと美味いぜよ」
「気に入ったでござるか」
「そうぜよ」
智にまた答えた。
「伊勢うどんには伊勢うどんの美味さがあるぜよ」
「それで、でござるな」
「食えて幸せぜよ」
「そこまで言われるでござるか」
「やっぱり伊勢はこれもぜよ」
伊勢うどんもというのだ。
「食えて幸せぜよ、あと起きれば」
その時はというと。
「カレーラーメンも食いたいぜよ」
「ああ、あれな」
カレーラーメンと聞いてだ、耕作はうどんをすすりつつ当季に応えた。
「インスタントで最近出てるな」
「あれは最高に美味いぜよ」
「そやな、あれは凄いラーメンや」
「ありそうでなかったもんだったがのう」
「それが出たらな」
「最高の味だったぜよ」
「あれはほんまええわ」
耕平もカレーラーメンについては太鼓判を押した。
「酒には合わへんけどな」
「カレーは酒には駄目ぜよ」
「それはあるけどな」
それでもというのだ。
「あれはほんまに美味い」
「耕平もそう思うぜよ」
「そやから言うんや、あれはインスタントラーメンの中でも逸品や」
「全く以てそうぜよ」
「こっちの世界にはないもんやけど」
「起きたら食うぜよ」
「それはええことや」
耕平は当季に笑って話した。
「存分に食べるんや」
「そうするぜよ、そして今は」
「伊勢うどんやな」
「これを食ってぜよ」
「締めに赤福餅やな」
「それを食べるぜよ」
まさにと言ってだ、そしてだった。
一行はその伊勢うどんを堪能した、辛いつゆに太く柔らかい麺が実によく合う。その独特のうどんを味わったのだ。
そのうどんを食べて終えてだ、まさに大社の入り口のすぐ傍の店でだった。
一行は締めとなる赤福を注文した、その時に抹茶も一緒に頼むことを忘れていなかった。そうしてだった。
その赤福餅を食べてだ、当季はまた言った。
「これもいいぜよ」
「またそう言うっちゃ」
「美味いから美味って言うぜよ」
愛実に満面の笑みで返した。
「そうな」
「そうだっちゃ」
「そうぜよ、それでじゃが」
当季はその赤福を食べつつ愛実に話した。
「この赤福を食べたら社に入るが」
「お伊勢さんの中にっちゃな」
「こっちの世界のお伊勢さんも相当なもんじゃな」
「はい、私は以前入ったことがありますが」
良太が当季に答えて話した。
「実にです」
「凄いところか」
「細部は起きている時の世界での伊勢神宮とは違うかも知れませんが」
それでもというのだ。
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