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レーヴァティン

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第六十一話 伊勢へと続く道その八

「見ただけではない」
「味もでござるな」
「いい味だ」
 こう言うのだった。
「美味い」
「まことに」
「伊勢海老も食べたことがあるが」
「この島も伊勢海老もまた」
「実に美味い」
 実際に食べてみての言葉である。
「これはな」
「全くでござる」
「しかもこれだけではない」
「お味噌汁もいいっちゃ」
 愛実はその味噌汁を飲みつつ言った。
「だしがよく出ているっちゃ」
「伊勢海老のそれがだな」
「そうだっちゃ」
「かなり上等の海老だな」
「その通りだっちゃよ」
「そしてだ」
「味噌汁も飲んでっちゃな」
 愛実もこう返した。
「そのうえで」
「次は肉だ」 
 伊勢海老と野菜の次はというのだ。
「それを食う」
「そうするっちゃな」
「そしてだ」
 さらに英雄だった。
「酒も飲んでだ」
「そっちも楽しんでっちゃな」
「他にも楽しむ」
「お風呂もっちゃ」
「そうだな、風呂もいいが」
「ああ、わかったっちゃ」
 英雄が何を楽しみたいかはだ、愛実は女だからこそわかった。
「そっちもっちゃな」
「わかったのか」
「まあ男の人だからっちゃな」
「そうした店は何処にでもある」
「それでっちゃ」
「俺は楽しんでくる、そしてだ」
「うちもっちゃな」
 今度は自分のことについても言った愛実だった。
「楽しめばいいっちゃ」
「そうしろ」
 楽しみたければというのだ。
「俺は別にいい」
「では逆ハーレムっちゃな」
 愛実は腕を組みこうも言った。
「いや、美人さんと一緒に」
「女同士でか」
「そうしたことも一興っちゃな」
「そっちの趣味もあるのか」
「経験はないっちゃ。ただ」
「ただ。何だ」
「女の人は一日に十人以上相手に出来るっちゃが」
 それでもというのだ。
「男の人はそうはいかないと聞いてるっちゃ」
「俺は大丈夫だがな」
「いや、それは絶倫っちゃ」
 そう言われる類の者だというのだ。
「普通は違うっちゃ」
「そこまで相手は出来ないというのか」
「そう聞いてるっちゃ」
 愛実は経験はないが自分の知識のことから述べた、だかららしいというそうした言葉になっているのだ。
「うちは」
「そうだな、確かに俺はだ」
「絶倫さんっちゃな」
「こちらの世界ではな」
「そうだっちゃ」
「起きた世界では知らない」
 経験としてはというのだ。 
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