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レーヴァティン

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第六十一話 伊勢へと続く道その四

「そこで蝮酒飲んだぜよ」
「そうしたらか」
「本当に全快したぜよ」
「精ついてか」
「そうぜよ。それでデートも楽しかったぜよ」
「天王寺動物園でのそれもか」
「アシカも象も可愛かったぜよ」
 天王寺動物園にいるこうした生きもの達もというのだ。
「まっことのう」
「そうか、デートか」
「中学生とのう」
「待て」
 耕平は当季の今の言葉に目を止めた、見れば血相も変わっている。
「自分今何言うた」
「?デートしたと言ったぜよ」
「中学生と、って言うたな」
「そうぜよ」
「自分大学生で中学生とデートしたんか」
「従妹の娘三人とぜよ」
「三人共中学生か」
「もう一人いて小学生だったぜよ」
「それは引率やろ」
 中学生相手のデート、所謂ロリコンと思われるものではないことにほっとしつつもだ、耕平はさらに返した。
「デートっていうか」
「ははは、それはデートやろ」
「そうなるか?」
「そうぜよ、女の子と一緒じゃからのう」
「そうなるか?それでとにかくか」
「風邪気味だったけどのう」
 蝮酒を飲んでというのだ。
「治ったぜよ」
「そうなんやな」
「ああ、だから蝮酒はぜよ」
「ほんまに精がついてか」
「身体にもいいぜよ」
 多少の風邪なら全快するまでにというのだ。
「じゃからのう、蛇もぜよ」
「食うべきか」
「小骨が多いのは確かじゃが」
 このことは愛実と同じ意見であった。
「それでもぜよ」
「そうだっちゃ。味自体はいいっちゃ」
 愛実もそれを言う。
「だから蛇はいいっちゃよ」
「虎よりもですね」
 良太も話に入ってきた、勿論彼も虎の肉を食べている。
「蛇の方がいいですね」
「そう思うっちゃ」
「味については」
「虎はこの世界に来るまで食べたことがないっちゃが」
「食べてみるとですね」
「あまり好きになれないっちゃ」
 こうした味だからだというのだ。
「それでっちゃ」
「そういうことですね」
「そうだっちゃよ」
「まあ私もです」
「虎の肉はっちゃな」
「あまり美味しいとは思いません、漢方薬にはなるそうですが」
「そうだっちゃ」
 愛実は良太のその言葉には目を瞬かせて問い返した。
「虎の肉は漢方薬にもなるっちゃ」
「はい、ある部分が」
「内臓っちゃ?」
「そこは申し上げられませんが」
 知っていてもというのだ。
「秦の始皇帝が毎食口にしていたとか」
「あの始皇帝がっちゃ」
「はい、不老長寿を求める中で」
 始皇帝が不老長寿を求めていたことは史記にもある、現代でもこのことは広く知られていることであろう。
「虎のその部分もです」
「不老長寿の薬としてっちゃ」
「口にしていました」
「そうだったちゃか」
「はい、しかし」
「始皇帝は長生きしてないっちゃな」
「当時では普通と言うべきでしょうか」
 こう前置きして話した良太だった。 
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