八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百五十八話 夏の終わりその九
「それをしようかな」
「じゃあね」
「うん、まあお昼食べてから考えるよ」
「午後はどうするか」
「それを決めるよ」
それからだ、こう話してだった。
香織さんjはお風呂に入りにトレーニングルームを出てそうしてだった。僕は一人でバーベル上げに励んだ。それでバーベル上げもこれでいいと思ってお風呂に入ってだった。
サウナと水風呂、そして湯舟で身体をリフレッシュさせて身体自体も奇麗にしてそれから出て一階のロビーで休憩しようとすると八条荘の玄関から上下緑のジャージ姿の詩織さんがラケットを持って汗をタオルで拭きながら中に入ってきた。
それで僕を見てだ、すぐに声をかけてきた。
「何かすっきりしてるわね」
「さっきまでトレーニングルームで汗かいてお風呂入ってたんだ」
「そうしてたの」
「朝御飯食べてすぐにね」
大体七時半からトレーニングルームに入って九時位までいた、そして今時間を見ると十時を少し過ぎた位だ。
「そうしたんだ」
「私はさっきまでテニスの練習してたわ」
「部活だね」
「今日部活ないからお家でね」
「練習してたんだ」
「そうしてたの、準備体操して走ってからね」
うちの高等部のテニス部は走ることに熱心だ、だから詩織さんも家でもそうしたんだろうと聞いて思った。
「八キロ走ってかしら」
「八キロもなんだ」
「テニス部も走るから」
走ることに熱心な部活だからというのだ。
「それでね」
「それだけ走ってから」
「ラケットも使って」
「壁打ちしてたの」
「そうだったんだ」
「今までね」
「結構以上に汗かいたんだね」
「ええ、お陰ですっきりしたわ」
その笑顔は実際にすっきりしたものだった、汗をかいた後のそれだった。
「だから今からシャワー浴びて」
「お風呂じゃないんだ」
「シャワーにするつもりだけれど」
「身体ほぐすならお風呂の方がいいよ」
詩織さんにもこう話した。
「八条荘は何時でもお風呂に入られるし」
「それでなの」
「身体もほぐれるしね」
詩織さんにこの話もした。
「だからね」
「じゃあそうしようかしら」
「それからゆっくりして」
本当に今そんな気持ちだ、ゆっくりとしている。
「お昼食べたらいいし」
「そうすればいいのね」
「とはいっても今日八条荘に残ってる人少ないけれど」
「半分以上の娘が出たわね」
「遊びに行ったね」
「皆遊ぶの好きだからね」
詩織さんは笑って僕にこう言った。
「だからね」
「そうなんだよね、本当に」
「皆遊ぶの好きでしょ」
「何かとね」
僕にしてもそうだ、だから休日はよく遊びに出る。最近は八条荘の管理人のお給料もあってお金には困っていないから余計にだ。
「そうだよね」
「だからね」
「今残ってる人も少ない」
「そんな感じよ、今日もね」
「そうだね、ただね」
「ただ?」
「そうした日も今日で終わりね」
少ない人数でお昼を食べる日もというのだ。
ページ上へ戻る