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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその一

          第四十五話  二学期になって
 夏休みも終わって二学期になりました、私の高校生活最後の二学期がはじまった訳ですが。
 始業式が終わってすぐにでした、またしても。
「先輩こんにちは」
「こんにちは」
 能天気な笑顔の阿波野君に憮然としたお顔で返しました、そのうえで阿波野君にこうも言いました。
「何でここにいるのよ」
「会いに来まして」
 それでとです、能天気な調子のまま言ってきます。
「それでなんですよ」
「わざわざ?」
「わざわざっていいますか」
「一年のところから来たわよね」
「そうです、挨拶にと思いまして」
「帰りなさい」
 阿波野君を見上げてむっとして言いました。
「すぐにね」
「まあ挨拶ってことで」
「そんなのいいわよ」
 むっとしたお顔のまま言い返しました。
「全く、いつもそんなこと言って来るから」
「駄目ですか」
「というか一日一回は絶対に私のところに来てるわね」
「先輩なんで」
「私なんでって」
「おぢばがえりの時も神戸でもお会い出来ましたし
「こんなことはじめてよ」
 まさかの出会いでした、これもまたお引き寄せとしか思えなかったです。本当にこうしたことは祖神様のお力です。
「神戸でも、なんて」
「いや、あの時は有り難うございます」
「そうですね、けれど」
「けれど?」
「いや、こうして九月一日もお会い出来まして」
 学生にとっては二学期がはじまる運命の日です。
「何よりですよ」
「会いに来たんでしょ」
「わざわざね、けれど秋になっても」
 ここであらためて阿波野君を見て言いました。 
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