オズのガラスの猫
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第三幕その九
「既にね、だったらね」
「もう上がるしかないから」
「そうよ、どう上がるかって考えたら」
「その結論になったのね」
「それだけよ」
ガラスの猫にしてはです。
「だからね」
「この結論に至ったから」
「何でも一番の魚料理を出して」
「それでなのね」
「犬の国の人達を喜ばせて」
「終わらせるの」
「そうよ、それであたしが知恵を出したし」
それにというのです。
「かかしさん達もそうしてくれるなら」
「後は貴女達の知恵を実行する」
「それで終わりよ、本当に簡単じゃない」
「そういうことね」
「ええ、じゃあこれからね」
「まずはかかしさん達が待っている樵さんのお城に行く」
「そうしましょう」
こうお話してでした、一行はてくてくと歩いてでした。それで途中で朝御飯のオートミールを食べてからです。
朝御飯の後も歩いてお昼はです、恵梨香がガラスの猫が言った一番のお魚の一番のお料理を意識してリクエストしたお料理を皆で食べることになりました。そのお料理はといいますと。
「これはね」
「どうでしょうか」
「いえ、凄い味ね」
オズマはお箸とお椀でそのお料理、河豚鍋を食べながら恵梨香に応えました。
「物凄く美味しいわ」
「はい、咄嗟に思いついたんですが」
「この河豚鍋がなのね」
「一番美味しいお魚のお料理じゃないかって」
「そう思ってなのね」
「リクエストしてみましたけれど」
「これは確かにね」
オズマは河豚だけでなくお鍋の中の白菜やお葱、お豆腐に茸そして糸蒟蒻といったものを食べつつ恵梨香に応えました。
「美味しいわね」
「そうですよね」
「それも凄く」
「河豚は美味しいですよね」
「ええ、こんな美味しいお魚があるのね」
「あとお刺身や唐揚げにしましても」
そうしたお料理もというのです。
「これがです」
「そちらもなのね」
「物凄く美味しいんですよ」
「そうなのね」
「ですから」
「犬の国の人達にはなのね」
「河豚を出せばいいかも知れないです」
こうオズマに言う恵梨香でした、そしてです。
ナターシャ達四人もです、こう言うのでした。
「河豚はね、確かにね」
「他のお魚とはまた核が違う」
「そんな味だね」
「こんなに美味しいなんてね」
「ええ、何ていうかね」
オズマは河豚をさらに食べながらこうも言いました。
「日本人はこんな美味しいお魚をいつも食べてるのね」
「いつもじゃないです」
そこは断った恵梨香でした。
「河豚は高いんです」
「数が少ないお魚なの」
「数は多いです、河豚の種類も多くてよく釣れます」
「あら、じゃあしょっちゅう食べられるわね」
「いえ、それが」
どうにもというお顔になって言う恵梨香でした、勿論恵梨香も食べています。ガラスの猫とつぎはぎ娘、チクタクは食べている皆と同じくお鍋を囲んでそのうえで食べて笑顔になっている皆を見ています。
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