夢幻水滸伝
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第五十六話 幸先よい勝利その二
「勝ったがな」
「はい、これで終わりではないです」
「これからだ、まずは」
「この城の修繕ですね」
「急いでしてだ」
占拠した厩橋城をというのだ。
「そしてだ」
「それから下野に向かいましょう」
「是非な、上野から下野に入り」
その時に南下もすることになっていた、これは下野に入る道の関係でだ。
「そうしてな」
「それからですね」
「そうだ、東北の方にも向かうが」
「すんなりとはいかないですね」
「相手も必死だ」
東国の者達もというのだ。
「だからな」
「そこまでに行く途中で」
「仕掛けてくると思った方がいい」
「下野から常陸に入り水戸城を占拠してそうして」
「そこから東国、まずは会津若松城を目指すが」
これが綾乃が率いる軍勢の予定進路である、そこまで考えられているのだ。
「無事にはだ」
「進めないですね」
「敵が何もしてこない筈がない」
「では」
「必ず仕掛けてくる」
関西の軍勢が進撃するその中でというのだ。
「間違いなくな」
「問題はその時ですね」
「気を抜いたその時かも知れない」
「我々が」
「だから気をつけてだ」
そのうえでというのだ。
「進んでいこう」
「わかりました、それでは」
「綾乃殿にも話をしてな」
「気を抜いてはいけないことを」
「綾乃殿なら大丈夫だが」
「全軍に言う為にも」
「棟梁に言っておこう」
この軍勢の総大将でもある彼女にというのだ、こう話してだった。
関西の軍勢はすぐに工兵達を中心として城の修繕にかかった、様々な術も使いつつ修繕されるその状況を見てだ。
玲子は明るく笑ってだ、共にいる兵達に言った。
「やっぱり機械に術にってね」
「色々使っていきますと」
「修繕も早いですね」
「かなり徹底的にやりましたけれど」
「それでも」
「そうだね、特に召喚された幻獣を使うと」
見れば彼等も働いている、召喚師達が呼んだものだ。他には獣使い達が操っているモンスター達も使役されている。
「いいね」
「全くです」
「科学の機械もありますし」
「修繕は順調ですね」
「順調に進んでいますね」
「そして修繕が済めば」
「下野だよ」
玲子はこの国の名前を出した。
「あの国に向かうんだよ」
「そうですね、そして次はですね」
「宇都宮城を手に入れますね」
「そしてそのうえで」
「次は」
「ああ、常陸ってなるよ」
この国だとだ、玲子は笑って話した。
「そうなるよ」
「そうですね」
「そしてその常陸からですね」
「いよいよ東北ですね」
「あちらに向かいますね」
「下野からも行けるけれどね」
東国、そこにというのだ。
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