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空に星が輝く様に

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2部分:第一話 最初の出会いその二


第一話 最初の出会いその二

「あのさ」
「んっ?」
「あんた斉宮陽太郎っていうのよね」
「ああ、そうだけれど」
 席に座っている陽太郎は自分の前に立って来た星華のその問いに頷いた。
「何で俺の名前知ってんだ?」
「教室の入り口の名簿に書いてあったじゃない」
 笑顔で彼に言ってみせた。
「それで名札にも斉宮って書いてたらね」
「わかったってのか」
「そうよ。それで私はね」
「何ていうんだよ」
「佐藤星華よ」
 ここではにこりと笑った笑みになった。
「宜しくね」
「佐藤っていうのか」
「佐藤って呼んでね」
「ああ、じゃあ俺は」
「斉宮でいいわよね」
 こう言ってきたのだった。
「その呼び方でいいわよね」
「わかったよ。それだったら」
「呼んでみて」
 陽太郎を見て笑顔での言葉である。
「実際に」
「えっ、今かよ」
「そうよ、今よ」
 言葉も明るいものになっている。
「呼んでみてよ」
「今か」
「いいからさ」
 自分の方から急かす。そうせずにはいられなかった。
「名前ね」
「じゃあ。佐藤」
 陽太郎もこう呼んでみた。すると星華はそれを聞いて満足した顔で笑うのだった。
「いいわ」
「それでいいのかよ」
「それじゃああらためて宜しくね」
 星華はまた陽太郎に対して話したのだった。
「これから一年ね」
「ああ。それじゃあな」
 これが二人の出会いだった。そしてそれは一年で終わりではなかった。
 二年の時も三年の時も同じクラスだった。そして受験の時はだ。
「ねえ斉宮」
 星華は何気なくを装って今帰ろうとするよう太郎に声をかけてきた。
「聞きたいことあるんだけれど」
「聞きたいことって何だよ」
 彼女に顔を向けて問うのだった。
「それで」
「あんた何処受けるの?」
 こう問うたのである。
「高校何処なのよ」
「八条高校受けるつもりだけれどさ」
「八条高校なの」
「ああ、あそこな」
 そこだというのである。
「そこに行きたいんだけれどな」
「何でなの?」
「いや、レベルも合ってるしさ」
 最初の問題は成績だという。まずはそこからだというのだ。
「それにさ」
「それに?」
「あの学校で設備何でもあって凄く賑やかじゃないか」
「そうよね。八条高校はね」
 星華は何気なくを装ってそれで彼の言葉に頷いた。頷きながら玄関に入っていく。玄関の向こうはもう夕陽が落ちようとしていて世界が赤くなっていた。
「設備が充実していて有名だからね」
「だからさ」
 陽太郎は自分の靴箱を開けながら微笑んで星華に話している。
「それでそこにな」
「受けるのね」
「勿論滑り止めも受けるけれどさ」
 それも忘れないというのだった。この辺りは常識である。
 
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