夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五十五話 武蔵と箱根でその十
「そうしていくぞ」
「ですね、敵の星の人達も来てますけれど」
「それでもですね」
「方陣を一つ一つ攻め崩して」
「そうしてここを占領しますか」
「そうする、あっしも行くぞ」
こう言ってだ、有島も自身の神具である遅来矢を抜いてだった。
そうして自ら先陣に立ちそのうえで方陣の一つに向かう、そしてだった。
その方陣を攻める、神具を一閃させて竜巻を放って方陣を攻撃した。するとその方陣が一瞬で破壊されたが。
そこに山本が来てだ、有島の二撃目を日本号の一閃で打ち消した。そのうえで関西の兵達に対して叫んだ。
「あいつはわしに任せるんじゃ!」
「わかりました!」
「お願いします!」
「わし等は方陣を組んでいきますさかい」
「ここはお願いします」
「そうするんじゃ、もうすぐ援軍が来る」
空船から送られて来る彼等がというのだ。
「それまで持ち堪えるんじゃ」
「そして星の人はですね」
「山本さんが戦ってですね」
「止めてくれるんですね」
「そうする、だからじゃ」
山本は方陣を一つ崩した有島の前に出た、そのうえで彼に言った。
「これ以上はやらせんぞ」
「先輩が来られたんですか」
有島はその山本を見て言った。
「それでこれからあっしと」
「倒したるわ」
これが山本の返事だった。
「覚悟するんじゃ」
「来られると思ってやした」
有島は神具を構えつつ山本に返した。
「そしてここで」
「わしと一騎打ちになることもか」
「へい、そうなると思ってやした」
「それじゃあやるか」
「お互い遠慮なく」
「そうしやしょう」
二人で話してだ、そしてだった。
二人は一騎打ちに入った、それは井伏と武者小路もだった、武者小路は己の前に出た井伏に対して言った。
「あたいあんたは嫌いじゃないのよ」
「わしもじゃ」
二人は対峙しつつ話をした、既に周りでは両軍の戦がはじまっている。東国の軍勢は果敢に攻めて関西の軍勢は守っている。
その中でだ、井伏は武者小路に返した。
「起きた世界ではダチじゃしのう」
「こっちの世界でもね」
「嫌いじゃないわ、その気風」
「そうね、こっちの世界でも友達になりたいわね」
「まことにな、しかしな」
今はと言うのだった。
「敵同士ならな」
「やるしかないのよね」
「ほなはじめるか」
「ええ、恨みっこなしよ」
「お互い戦で恨み合うことはないじゃろ」
「そうね、正々堂々だったらね」
「じゃあ思う存分やるか」
二人でこう話してだ、そしてだった。
二人も一騎打ちをはじめた、井伏の張り手と武者小路の刀がぶつかり合う。嵐と嵐がぶつかり合う様な闘いがここでもはじまった。
二組の星の者同士の一騎打ちがはじまり兵達もだった。
戦をはじめていた、東国の五千の軍勢はそれぞれ方陣を組む関西の軍勢に向かうが。
方陣の一つ一つが堅固でしかも互いに助け合っている、しかも。
「鉄砲の数が多いな」
「それもかなりな」
「槍も多い、しかも長い」
「迂闊には近寄れないぞ」
「鉄砲も新型だしな」
「術を使う奴も多い」
関西の軍勢の特徴だ、只の兵即ち戦士やハンターだけでなく魔術師や僧侶、超能力者等様々な職業の者達が入っているのだ。
ページ上へ戻る