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空に星が輝く様に

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178部分:第十三話 家へその十二


第十三話 家へその十二

「それでね」
「わかりました」
 そしてだった。さらに話すのだった。
「それじゃあ」
「来てよ。あとは」
「あとは?」
「呼び方だけれどさ」
 陽太郎はふとだ。月美に対して話すのだった。
「今名字で呼び合ってるじゃない」
「はい」
「それ。そろそろ変えないかな」
 こう言うのだった。
「そろそろさ」
「変えるっていいますと」
「名前で呼び合わない?」
 月美を見て。そのうえでの言葉だ。
「名前でお互いに」
「名前で、ですか」
「ほら、俺今西堀って呼んでるじゃない」
「ええ」
「それで俺のことは斉宮って呼んでくれてるけれどさ」
「それを名前に、ですか」
「どうかな」
 また月美を見て問う。
「それで」
「いいですか?それで」
 またおずおずと問う月美だった。
「陽太郎君って呼ぶことになりますけれど」
「いいよ」
 微笑んでだ。月美に答えた。
「よかったら。呼んで」
「じゃあ」
 一呼吸置いてからだ。そのうえでの言葉だった。
「陽太郎君」
「じゃあ俺も」
「はい、御願いします」
「月美」
 実際に呼んでみた。最初は違和感があった。
 しかし呼んでみるとであった。何か温かいものも感じるのだった。
 それでだ。ついまた呼んでしまった。
「月美、いいかな」
「はい、いいですね」
 実際ににこりと笑う月美だった。
「呼ばれてみますと」
「そう、よかったよ」
「陽太郎君、それじゃあ」
「うん」
「駅まで一緒に」
 こう言ってきたのである。その穏やかな笑顔でだ。
「行きましょう」
「そうだね、帰らないとね」
「ええ、ですから」
「うん、行こう」
 こう話をしてそれで駅に向かうのだった。そして改札口のところでだ。
「今日は楽しかったよ」
「はい、私もです」 
 駅に着いた時にはもう夕暮れになっていた。その時にまた二人で話すのだった。
「とても」
「そう、月美も楽しかったんだ」
「普段のデートとはまた違って」
 そうだというのである。
「とても楽しかったです」
「俺もだよ。それじゃあね」
「はい、また」
「今度は俺の家に来て」 
 またこう話すのだった。
「それでいいね」
「その時にまた御願いします」
「何か美味しいもの出すから」
「また」
「またね」
 二人で手を振ってそのうえで別れるのだった。二人は幸せなまま別れた。こうして陽太郎のはじめての時間は終わったのであった。
 そして陽太郎は帰りの電車の中でだ。彼女と会った。
「あれっ、斉宮じゃない」
「佐藤かよ」
 星華だった。見れば彼女は制服であった。陽太郎は彼女のその服を見て言うのであった。
 
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