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空に星が輝く様に

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162部分:第十二話 夏に入りその十三


第十二話 夏に入りその十三

「それで」
「そうか。一つずつ、合わせて三つだよな」
「三つっていいますと」
「妹にも買わないとな」
 彼女のことを忘れてはいなかった。それはしっかりとわかっていた。
「ちゃんとな」
「そうですね。私も」
「ああ、西堀も妹さんいたよな」
「はい、あの娘にも買ってあげないと」
「結構散財するけれどな」
 陽太郎はお金の話をするとだった。少し困った顔になってもいた。
「それは」
「そうですよね。妹ってお金かかるんですよね」
「奢ったりしないといけないしな」
「そうそう」
 こうも話すのだった。
「それは本当にね。困るんだけれどな」
「けれどそれでも」
「可愛いよな」
「いえ、うちの妹は少し違います」
 月美はここでだ。むくれた顔になってきたのであった。
「生意気です」
「生意気なんだ」
「はい、最近特にそうです」
 こう話すのだった。
「生意気で困ったものです」
「そうなんだ、そんなになんだ」
「女の子って小学五年になると急にそうなるみたいで」
 自覚のない言葉であった。その証拠に自分をその話に入れていない。
「それで」
「そういうものかな、あいつも」
「人それぞれだと思いますけれど」
「素直なままでいてくれたらいいな」
 陽太郎は何気に自分の感情を述べていた。
「本当に」
「斉宮君の妹さんってどんな方ですか?」
 月美はこうも尋ねてきたのだった。
「それで」
「ああ、俺の妹ね」
「はい、どんな方ですか?」
「うん、素直でさ」
 まずは性格から話すのだった。
「それで真面目でね。いい妹だよ」
「素直で真面目ですか」
「顔はお袋に似ててな」
 このことも話した。
「っていうかそっくりなんだよ」
「妹さんはお母さん似ですか」
「それで俺がさ」
「お父さんになんですね」
「そうなんだよな。妹は完全にお袋似でさ。凄いそっくりなんだよ」
 そしてだ。今度は陽太郎が月美に問うた。
「西堀はどうかな。そっちは」
「私ですか」
「うん、やっぱりどっちかが親父さん似とか?それかお袋さんか」
「そうですね。私達はですね」
「うん、どうかな」
「両方共お母さん似だと思います」
 こう陽太郎に話すのだった。
「私と妹はかなり似てますから」
「似てるんだ」
「似てます、かなり」
 このことは気付いている月美だった。彼女も気付いていることと気付いていないことがあった。これは誰にもあることであった。
「顔も髪の毛の質も」
「どちらもなんだ」
「はい、特に目元と髪の毛がそっくりなんです」
 そえを聞いてだ。陽太郎は言った。
「じゃあ妹さんも目が大きくて髪は黒いんだ」
「そうなんです。それで私みたいに伸ばしてて」
「成程ね」
 それを聞いて頷く陽太郎だった。
 
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