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夢幻水滸伝

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第五十四話 東西の戦その二

「問題があるわ」
「敵やな」
「東国がどう動いてくるかやな」
「戦は相手がおるもんや」
「相手の動き次第や」
「そや、相手がどうかや」
 それだというのだ。
「どう動いてくるかや」
「それや」
「言うまでもなく相手は劣勢や」
「兵はこっちは二十万、相手は十四万」
「星の数はこっちは二十七人、相手は九人」
「劣勢は明らかや」
 まさにというのだ。
「その劣勢をどうするかや」
「そう考えてる筈や」
「相手はな」
「そのうえでどうして勝つか」
「こう考えてる筈や」
「そやな、劣勢を一気に覆すには」
 綾乃も考えつつ言う。
「敵を奇襲することや」
「そや」
「そうして勝つことや」
「優勢な敵の思わぬやり方で攻めてな」
「一気に勝つ」
「そうしてくるもんや」
「そう考えるわ」
「それでその為には」
 綾乃はさらに考えた、そうしてこうも言った。
「一番ええのは敵の総大将を倒す」
「それや」
「つまりご主人狙われる可能性あるで」
「それもかなり高いで」
「倒すか捕虜にするか」
「そう考えてるわ」
「そしてうちを倒すか捕虜にして一気に流れを掴んで」
 綾乃は大蛇の八つの首を相談役にしてそうして話した。
「都を占領してな」
「そうされたら勝敗は明らかや」
「大将倒されて本拠地まで攻め落とされたらな」
「それで終わりや」
「もう東国のもんや」
「東国はこっちに降伏する様に行って来る」
「それであっち主体の統一が成るわ」
 大蛇達も言う。
「そういう風にな」
「おおよそ考えてるわ」
「それでこっちはどうするか」
「ご主人としてもな」
「奇襲な、うちの率いる軍勢そしてうち自身に仕掛けてくるなら」 
 綾乃はあらためて考えて言った。
「あっちがあえて一か八かの賭けで攻めてくるとすると」
「こっちはどうするか」
「何か考えあるか?」
「軍師さんに相談してみるか?」
「貝殻出して」
「それもええな、というか芥川君やったらもう読んでるか?」
 軍師であり四智星の一人である彼ならというのだ。
「その辺りは」
「まあな」
「軍師さんやったら有り得るな」
「常に敵の先の先を読む」
「それが軍師やしな」
 そして芥川なのだ、そうした意味で芥川は本物の軍師なのだ。
「ほなな」
「その読みがここでも出るか?」
「出てそして答え出してくれるか?」
「答えてくれるか」
「そやな、出してくれたらな」
 それならとだ、さらに言う綾乃だった。 
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